【名探偵コナン】世界はあなたの色になる。【天空の難破船】

□１９． ページ20

飛行船の中に入った私たちは、爆弾解除を始めた。
さっきとは違って、別行動じゃなく一緒に。

探した爆弾は、喫煙室の裏と燃料タンクの裏には仕掛けられていなかった。結局見つかったのは子供たちが見つけた2箇所だけ。


不思議そうに見つけた爆弾を見つめる新一の隣に座る。カバンは飛び降りる前にラウンジに置いてきてしまったから解除の手伝いはできない。


───その時、新一の電話が着信を告げた。



『あ、私が出るから新一は解除してていいよ』

「──こら工藤！！またかける言うといて、ちっともかけてけーへんやないか！！」


爆弾解除の最中だった新一に変わって電話に出れば、無駄にデカい関西弁が耳を通り抜けた。

その声は新一にも聞こえたみたいで、呆れたような瞳で息を吐いた。



『…工藤じゃなくて上杉ですけど、服部くん』

「上杉？…おぉ、Aか！」

『うん、新一は爆弾解除してるから代わりに』



そこまで話すと、スピーカーにして新一にも聞こえるようにする。

爆弾を解除している彼の方に携帯を向けると「悪ぃ、すっかり忘れてた」と服部くんに言い聞かせるように声を発した。



「ったく、今どこに居てるんや」

『飛行船の中だよ』

「もう戻ったんか、…すばしっこいやっちゃなぁ」


感心するような服部くんの声。
…うん、私もそう思うけど。


『それより、急に電話してきてどしたの？新一忙しそうだからくだらない話は…』

「くだらない話ちゃうわ！」


本家の関西弁のツッコミが飛んできて感動していたのは心の中にとめておいて、


『…んで、なんかあったの？』

「あぁ、犯人がネットに飛行船のこと話しよったから大阪中パニックになってしもうてるで」


スピーカーにしているため、その声は新一にも聞こえた。

私の携帯に向かって驚いたように「なに…！？」と声を上げる。


電車や新幹線も逃げようとする人々でいっぱい。
高速だって大阪から西へ行く車で大渋滞らしい。

そりゃそうだ、ウイルスなんてみんな怖いもん…逃げたくもなるよ。


「銀行の行員や警備員とかもみーんな避難させられとるらしいから、強盗するんやったら今やな」

『ダメだよ』


冗談のように笑いながら言う服部くんにマジレスしたところで、ぽんと誰かに肩に手を置かれた。

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