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彼女は可哀想な子
生まれてすぐ母親を亡くし、
教育係の私以外には数名の召使とメイドしかいない小さな離れ
「…殿下は、外出なさりたくないのですか」
『お父様と約束したの。私を守るために
そう言って花が溢れるように笑う彼女は、きっとまだ家族のことを愛しているのだろう
その証拠に、彼女は時間外でもよく私に政治や民衆のことを質問にくる。
この国に恥じぬ王女になるために。
健気で、努力家で、純粋な彼女は
巷では“シンデレラ王女”なんてチープな呼び方をされているのにも関わらず、朗らかに微笑む
しかし、私は知っている
“シンデレラ”と呼ばれるたびに、彼女が悲しげに笑うことを
おそらく、彼女は憧れていることだろう
誰かに自分の本当の名をよんでもらうことを
身分の問題上
私では彼女の名前を呼んではいけない
それでも彼女は私にのみ
“その”視線を向けている
彼女が王女が故に現れない王子も
空想の中でしか彼女を助けられない魔法使いも
決して向けられない視線
あぁ、我が主は、なんと嘆かわしく愛らしいのでしょう
「さて本日は、なにをお教えしましょうか」
『実はもう決めてあるの！今日は隣国との国際的な』
半分ほど飲み終え、ソーサーの上に置いたティーカップに温室に舞う蝶がとまる
ちっぽけな罪悪感と同情
そして彼女には私しかいないんだという優越感を染み込ませた指先で
今日も私は本を捲る
歪みはじめている、王女の教育係em
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千猫(プロフ) - 匿名さん» sypお嬢様お気に入りの話なのでコメント嬉しいです！スターは偉大ですからねw (2月29日 23時) (
レス) @page20 id: 123001fabd (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 悪役令嬢sypのお嬢様経緯すこ。てかスターの彼女数の答えでバレるの草ww (2月25日 1時) (レス) id: de8cd53295 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：千猫 | 作成日時：2024年2月21日 21時
