htさようなら ページ1
「ここから2人で逃げようか」
月明かりに照らされた家屋の屋根
その下にできた小さな影に身を寄せ合う2人
男がそう呟くと
女は少し泣きそうな顔をして、力無く首を横に振った
ごめんなさい、それはできないの
男の傷ついたよう顔を見ながら
女は無理やり口角を上げた
少し潤んだ瞳
目尻には少し涙が溜まっている
その顔を見た男は
諦められない何かを見殺しにすることに憤りを感じる、下唇を強く噛んだ
私、あなたのこと好きよ
でもね、
女が男の唇に白く細い指先を近づけると
男の力が抜ける
そのままどちらともなく視線が交わる
男の口元にあった指に、温もりが絡まる
2人の影がゆっくり近づき
そっと重なった
時間にすれば1秒にも満たない
それでも
優しく、暖かく、少し塩の味がして
どうしても忘れられない
交わっていた視線が逸れ
絡み合っていた指が重力とともに下に落ちた。
ボロボロと涙を流し女に手を伸ばす男
それに気付かぬように女は踵を返す女
夜は必ず終わり、
太陽は皆を照らす
そう
みな
平等に
日が登り始めるまで
男はその場から動けなかった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 82人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
千猫(プロフ) - 匿名さん» sypお嬢様お気に入りの話なのでコメント嬉しいです！スターは偉大ですからねw (2月29日 23時) (
レス) @page20 id: 123001fabd (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 悪役令嬢sypのお嬢様経緯すこ。てかスターの彼女数の答えでバレるの草ww (2月25日 1時) (レス) id: de8cd53295 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：千猫 | 作成日時：2024年2月21日 21時
