°96 ページ4
Aは病室に戻る途中なんとなくリハビリ室をのぞいた
雫「奏ちゃん…」
奏がテーブルに敷かれたタオルの上にたくさんの色鮮やかなおはじきを１つ１つ裏返す
簡単な動作だが、指がブルブルと震え、うまくつかめない
そんな奏の姿を影からそっと見守る
ずっと見ていると悲しくなる
見ていられなくなってAがその場を立ち去ろうとした時奏が言った
奏「Aちゃん」
Aの足が止まった
奏「それに藍沢先生も」
雫「え？」
Aが後ろを振り返ると藍沢が立っていた
雫「わ！」
藍沢は目をそらした
奏「Aちゃん、車椅子じゃなくなったんだね」
奏は作業を進めながら尋ねる
雫「う…うん、なんか良くなってるんだって」
奏「良かったね」
奏は静かに言う
奏「私の手術のとき、途中で助けにいった患者さん、今どうしてる？」
Aは後ろにいる藍沢を見上げる
藍「退院して仕事に復帰してる」
奏「何やってる人？」
藍「患者の個人的なことは教えられない」
奏「…そう。私の仕事はね、ピアニスト」
奏の鋭い言葉が藍沢を切りつける
しかし奏は顔を上げることなく、震える手でおはじきを裏返し続ける
奏「ピアノはね、この手で触れるといつもたくさんの音をくれた。…たくさんの、音をでも、そんな音はもう聞こえない。鍵盤を押しても聞こえてくるのは、ただの音」
奏では紙コップのジュースに手を伸ばす
しかし、持った途端紙コップがぐらりと揺れ、ジュースがテーブルに溢れてしまう
Aは拭こうと近づくが藍沢に取られてしまう
奏での心の悲しみを拭うように、藍沢が拭いていく
その時ホットラインが鳴り響いた
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ゆき(プロフ) - 話は面白いのですが、文の間が空いていないため、読みにくいです。 (2018年10月25日 20時) (
レス) id: aa41ca2f57 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - 咲良さん» ありがとうございます！番外編機会があったらまた書きたいと思います！番外編のリクエストも受け付けてます！ (2018年9月9日 22時) (レス) id: d75722b65e (このIDを非表示/違反報告)
咲良 - 番外編めっちゃ面白いです！これからも番外編書いてくださいwww. (2018年9月9日 20時) (レス) id: 363a6f7197 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - sakuraba_akebiさん» ウケ狙いで書いたのでそう言って貰えると凄く嬉しいです！！更新頑張ります！ (2018年9月6日 20時) (レス) id: d75722b65e (このIDを非表示/違反報告)
sakuraba_akebi(プロフ) - 肘関節の話、バスの中で見ていたのですが吹いてしまいましたwいつも更新楽しみにさせてもらってます。頑張ってください (2018年9月6日 15時) (レス) id: 85844224a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆめ | 作成日時：2018年9月4日 14時
