推しが路地裏から飛び出してきた。[ 終 ]

これは恋愛漫画ではありません。 ページ37

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今や昔の恋愛漫画を見たとて、
このような恋愛はしていないだろう。


右往左往しながらも、





ここまで傷つきはしないのかもしれない。
人並みに傷ついて、それでも好きを貫き通して。


ハッピーエンドを迎える恋愛漫画。






それなら、この恋の最後もハッピーエンドなのだろうか。

いや、そんなことはない。
人魚姫のようにと、泡になって消えてしまうかもしれない。





それでもいい、といえる恋であって欲しい。


髪の毛を結いて、
それなりに可愛い服装をして、





ある場所へと向かった。


そこは、ホテル。
今では、冴くん含む一部のトッププレイヤーが、


寝泊まりしているホテルだった。






ナタリーさんも、そこに居るから。

受け付けで説明をして、
部屋へと向かう。

その途中では、色んなサッカー選手に見られたけど。





鳴り響かせた鐘の音。

そこには、やはり、
綺麗で大人なナタリーさんがいる。





私とは比べ物にならないぐらいに、落ち着いていた。

私は心臓バクバクで、
おまけに色んなサッカー選手を見れて、




はしゃぎそうだったのに。



これが、世界の違いってやつなのかな。






｢お邪魔しま〜す…………。｣




ぺこり、お辞儀をしてから部屋に入る。
と、そこにいたのは愛空さんと、




冴くんのマネージャーさん。

それにきょとんっ、としていたのならば、




愛空さんに手招きされるため、
少し近寄るしかなくて。

首を傾げたまま見る。





愛空｢通訳担当です。｣



｢……………あ、
私スペイン語喋れないので、すいません。｣

ジローラン｢いえいえ、寧ろこちらこそ、
うちの冴ちゃんが…………。｣




｢あ、いえいえ、こちらこそご迷惑をお掛けしまして。｣



ナタリー『日本人は謝罪がお好きなの？』





突然の聞きなれない言語に、
思わず固まったのならば、

愛空さんは面白そうにしていた。





私もそろそろ怒るんですけど！？


愛空さんとジローランさんは、
通訳担当であり、

今回のことについての第三者視点、とのこと。





それはそれで、有難いかも。


キャッツファイトにはならないとは思うけど、
それでも、少し心配だったから。



｢ナタリーさん、｣




ナタリー『なぁに？』


｢ナタリーさんは、冴くんのこと、
お好きですか？｣






彼女が真っ直ぐぶつかろうとしてくれてるのならば、
私もまっすぐとぶつからなきゃいけないから。

だったら私は子供のままでいたい。→←傷ついて、傷つけて、傷つけられて。

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