推しが路地裏から飛び出してきた。[ 終 ]

触れられない体温は冷たかった。 ページ24

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画面越しにうつる彼を好きになってしまった。





テレビニュースに流れる彼を見る。
その度に、冴くんだ、と思うと同時に、


きゅうっ、と胸が締め付けられる。





今では練習が忙しいのか、連絡なんてものはない。


これがただしいのに、
どこか期待している私がいてしまう。





それに困ってしまった。



ナタリーさんも女子日本代表と練習をしているらしい。
連日トミッターが更新されていた。

練習風景だけならいいのだが、





U_20との交流会の写真も上がっていた。



こーゆーのに出席することが珍しい冴くん。
珍しくスーツを着て、悶えた記憶はある。

それと同時に、




ご飯を頬張る冴くんとのツーショに、
胸を痛める私もいた。






彼女は簡単に触れたり、会える距離なのに、


私はそれが許されないし、
そう簡単に出来る訳でもない。





そう思っていたのなら、

不意に鳴り響いた通知音。





[ A . Oがあなたを追加しました。]




の文字に普通に恐怖を感じる。


え、だれ？
と思って考えた数分後。




おそるおそる、と言ったように文字を送った。





[ オリヴァ・愛空さんですか？]




愛空[ お、正解！
念の為の自撮り送る？]

[ 欲しいなとか思っていたりは、]




[ します。]





愛空[ すごい素直だね。それならはい。]




その文字の後に送られてきたのは、
どこにも載っていない写真である。



スーツに着替え途中の写真。

それに理解が追いつかなくなり、



拝むことにした。
が、その後ろにうつる冴くんに目がいってしまう。




前髪をセットされながらも、

面倒くさそうにしているのが彼らしい。






指先で触れたとて、
機械の無機質な冷たさが伝わるだけだった。


愛空[ 天才ちゃん、あぁ、
糸師冴と報道のあった子で間違いない？]




[ すいません、その前にどうやって知りました？ ]



[ 私のLime。]






愛空[ 交流会の時にちろっとスマホ見ちゃった♡]





すいません、おまわりさん、この人です。




そんな言葉が直ぐに浮かんでしまう。
なんというか、この人やっぱり読めないな。

愛空さんのディフェンスというか、




U_20のディフェンスの仕方は好きだったりする。





何より、止めた瞬間を見る度に、
血が集まる感じがして、滾る、というか。


まぁ1番は冴くんですけども。





[ もはや罪では。 ]




愛空[ 通報しないでね。]

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