推しが路地裏から飛び出してきた。[ 終 ]

彼女の名前は。 ページ13

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冴くんに指定された日になった。




普通に学校だったため、
家に帰るのもめんどくさかったが故に、

制服のまんまである。




学ばない女だって？


知るか！！！
友達認定されたんだ！！

これ以上を望むな！！！





という訳だ。



19時25分にはもう到着しており、
冴くんが来るのを待った。

ワンチャン来ないかもだけど。




まぁ来なかったらそれはそれで、連絡は来るだろう。



何も言わずにドタキャンする人ではないだろうし。
スマホを触りながら待機していれば。





冴｢おい、｣





聞き慣れたような声が響く。





｢冴くん。｣






そこには、変わらずに変装もしない彼である。
だめだ、互いに学ばなければいけないのかも。


そう考えては、頭を抱えてしまう。




まぁでも、友達と語ったのだから大丈夫だろう！

と思えば、ザワザワとした周り。
そして、出現したマスコミである。




冴｢執拗いぞ。｣



『しかし、日本の宝である君の！』



｢日本の宝の糸師冴。｣

冴｢お前は黙れ。｣




｢よっ、世界の宝！！！｣




そう言った瞬間、
顔を掴まれては圧を掛けられた。



黙ってろ、と言ったようなやつ。





すいません、オタクムーブが出てしまいました。
(熱盛！)



けど、本当に世界の宝なのに、
なんて思いながらである。

そんな中、喧騒をかき分けるようにと、



歩く女性。


綺麗な茶色の髪の毛を靡かせ、
そして、冴くんの腕を掴む彼女。





冴｢ナターシャ、お前っ、｣



ナタリー｢きちゃった、Mi amor(私の愛しい人)！｣





拝啓お母さんへ。




これが俗に言う、
誰よその女！と叫ぶシーンなのでしょうか。


ナタリー、ナタリー・ガルシア・ペレス。






スペインを代表する女性サッカー選手である。

ナターシャは、ナタリーの愛称。
2人の仲良しさが見えるだろうか。





何度か熱愛というよりも、

恋仲なのではないか、といえ噂がたっていた。




何よりも、ナタリーのSNSには、
匂わせが沢山していたからである。


私は何を見せられているんだろうか。





｢え、待って、呼び出された理由これ？｣




冴｢ちげぇよ。｣


｢え、じゃあなに。｣




冴｢チケットやろうと思って、｣

｢何の？｣




冴｢映画のだよ、ばかか。｣


｢ナタリーさん、これでいいんですか。
生涯ともにする人が、この人で。｣


ナタリー｢もんまんたい！！｣




冴｢ナターシャ、お前も黙ってろ。｣

私はただのファンですよ。→←ノーモアマスコミ＆ジャーナリスト！！

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