友をとるか、兄をとるか。 ページ20
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もし、敵がいるのならば、それは案外近くにいるのかもしれない。所謂身内のような存在で、それが所謂友達のような存在で。だから、わからなかった。気づくこともなかった。別に私は隠すべきことだと思っていたから、隠していただけなのに。それを騙していたんだ、と言われても分からないままで。その優しさに甘えていた私が悪いのか、気づけなかった私が悪いのかは、いつも分からない。どうせ傷ついて裏切られるぐらいなら、最後まで信じたい性分なんです。
いつメンである私を入れた4人組。松ちゃんと浜ちゃんとワタシと、それから沼ちゃん。沼ちゃんはあまり積極的に話すことは無いけど、時折とんでもな毒を吐く。それこそタイミングのいい時や、いきなりなため。だから、バランスのいい4人組だなと思っていた。思ってたんだ。沼ちゃんとはにじさんじの話をよくしていたから。私はかなかな推しで、沼ちゃんはアッキーナ推しだったから。
「騙してたんだ、って言われても、意味、分からない。急に、嘘つきとかいっぱい言われても、私、」
沼津「自覚がないの?」
浜田「沼待ちなよ。別にAは何もしてないじゃんか。」
沼津「マジで言ってんの?私知ってるんだけど。てか、気づかないとでも思ってた?Aがお兄さんの家に行く日、いつもかなかなの配信で妹に少し触れてたりとかさ。てか、妹バレした日の時、あれ、Aの声だよね。」
冷や汗が背中を伝う。
別にバレたとこで何かあるわけじゃない。きっと、沼ちゃんが怒ってるのは、私が話さなかったことなんだろう。私が、沼ちゃんたちに兄がVTuberだった、と話さなかったことに怒っているのはわかってた。けど、でも、お兄のことを考えると話さない方がいいと思ったからだ。友達がリスナーだからってのもあるけど、それでも、どっちが正解なのか私には分からなかったし。
でも、違うよね。ここで言い訳とかじゃなくて、ちゃんと言わないといけないのは。
「ごめんね、黙ってて。沼ちゃんたちのことが信じられなかったとかじゃないの。どうするのが正解だったのか、私、分からなくて。」
沼津「それって結局、信じられてなかったから話さなかっただけでしょ。」
「それは、…………ごめん、自分のことばっかで。」
沼津「悪いと思うなら融通きかせてよ。」
「は?」
敵という存在は、案外近いとこに居たのかもしれない。私は、彼女のことを信じられてなかったのだろうか。
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えある。 - 更新楽しみにしてます!神作ありがとうございます。 (2023年4月3日 7時) (レス) @page40 id: 9c1c96d73e (このIDを非表示/違反報告)
y - 続きが欲しい!!面白い!! (2023年3月30日 18時) (レス) @page36 id: b07f6cd4e6 (このIDを非表示/違反報告)
莉叶(プロフ) - 兄妹愛?が最高すぎて爆発しそうです (2023年3月28日 0時) (レス) @page11 id: dddba37a2f (このIDを非表示/違反報告)
凌(元無名) - は? のマジトーンw面白い。 (2023年3月22日 12時) (レス) @page18 id: 9c1c96d73e (このIDを非表示/違反報告)
凌(元無名) - おだんごさんしまいさん» 主じゃないし共感した報告ですが、、、15日前くらいに国語の授業でやったんですよ。確かにwはしょれメロスだw ナイスです、、、 (2023年3月22日 12時) (レス) @page17 id: 9c1c96d73e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ことり | 作成日時:2023年3月18日 0時