ずるいよ、お兄は。 ページ13
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「お兄のばーかばーか!!知らないんだから!!!」
叶「お兄ちゃんに向かって、バカなんて言うんじゃありません!!!なんでそんな事言うの!!」
「ご飯作って待ってるね、って言ったのに、ご飯食べてきたから怒ってるの!!!」
叶「連絡気づかなくてごめんね。これは本当にお兄が悪かったから、なんでそれでそんなに拗ねてるの。」
「拗ねてないもん。べっつにー?いいよ、私のご飯なんか食べなくて。」
1ヶ月に1回お兄に会えるか会えないか。
それがいつもだった。けど、お兄が推しだと知ってから、より一層会いたくなるから嫌になる。今までは、私のお兄だったのに、推しだって分かってから、かなかなだって知ってから、遠い人みたいに思ってしまうからだ。こんなのわがままで、子供めいた言葉で、泣きじゃくるようなものなのかも。だから、知らない。お兄なんて知らない。連絡はしていたし既読がつかないのを察してはいたけど、帰ってくるだろうな、と思って待っていれば、驚かれた。
後に察した顔をされてこうである。ぷんすこと怒りながら、ご飯を冷蔵庫に仕舞いながらの口論だった。最近、お兄とは喧嘩ばっかな気がする。いやでも、それはお兄が悪いから!なんて思いながら、使ったフライパンなどを歩いながらだった。仕方ない、かなかなはそーゆーとこがあるから。お兄は昔からそうだ。私がお弁当持っていきなーって言っても、高校時代持っていかなかったんだから。
叶「なんか、っていうの辞めなさい。僕前にも言ったよね?そうやって自分の価値下なんだ、って言い方は良くないって。」
「だって実際に下だったじゃん!私のご飯より、オムライスの方がいいんだ!!!」
叶「だからごめんってそれは。気づかなかった僕が悪い。けど、それで人に向かって馬鹿って言うのは違うし、自分のこと下に見るのは違うでしょ、って話。」
「うるさい、やだ、お兄うるさい。」
叶「A。」
「だって、だって!!なんか、お兄が遠い人みたいで嫌だったから。推しだって、にじさんじの叶だって知ってから尚更に、お兄が遠い気がして、…………私のお兄ちゃんなのに。」
お兄は狡い。人の心を揺さぶる力を持ってる。そのせいで、ポロポロと涙が溢れてしまう。頬を伝う無色透明が私を離さない。笑みを浮かべながら、伝う涙をぬぐい取るお兄を見つめては、思わず首を傾げていた。そのあと、お兄は口を開いた。いつもの優しい声が、私の全てを包むだけだった。
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えある。 - 更新楽しみにしてます!神作ありがとうございます。 (2023年4月3日 7時) (レス) @page40 id: 9c1c96d73e (このIDを非表示/違反報告)
y - 続きが欲しい!!面白い!! (2023年3月30日 18時) (レス) @page36 id: b07f6cd4e6 (このIDを非表示/違反報告)
莉叶(プロフ) - 兄妹愛?が最高すぎて爆発しそうです (2023年3月28日 0時) (レス) @page11 id: dddba37a2f (このIDを非表示/違反報告)
凌(元無名) - は? のマジトーンw面白い。 (2023年3月22日 12時) (レス) @page18 id: 9c1c96d73e (このIDを非表示/違反報告)
凌(元無名) - おだんごさんしまいさん» 主じゃないし共感した報告ですが、、、15日前くらいに国語の授業でやったんですよ。確かにwはしょれメロスだw ナイスです、、、 (2023年3月22日 12時) (レス) @page17 id: 9c1c96d73e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ことり | 作成日時:2023年3月18日 0時