煩わしいぐらいがちょうどいい。 ページ4
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乾 side
少年院から出所したのなら、
ココと女がいた。
アールグレイよりも薄い髪色を揺らしながら、
俺を見てきた。
｢九井くんがいってた、イヌピーくん？｣
九井｢特服で出所してくるやつだぞ。｣
｢綺麗な顔してんね、
特服？もかっこいいし、｣
ヤケドの痕がある俺の顔を見て、
黒龍の特服までも褒める女だった。
怖がることも無く、
ただひたすらに、笑ってた。
バカにしてるのかと思った。
少年院から出たやつは、
はんざいに 手を染めたことなんて分かるくせに。
それなのにだ。
｢あ、今井Aです！
九井くんからおはなしきいてます！！｣
乾｢……………ココ、｣
九井｢こいつの頭ぶっ飛んでるから、
何言っても無駄だ。｣
｢ねぇ！！そレどーゆー意味！？｣
ココの前に立って、
ギャン騒ぎしてるそいつは、
俺を見ても、何ともなさそうだった。
特服の意味を知ってるかも、わからなかった。
｢乾くんの特服の、黒龍って文字、
真一郎くんと同じやつだね、おそろ？｣
どくりっ、としたように、
その笑顔を見て、
何も考えれなかった。
綺麗に笑った、それだけだった。
赤音に似ていて、
あの人にも似ていて、でも全く、
似ていないから、困る。
煩わしかった、何かが。
乾｢………………なんか用か、｣
｢いや、特には。
九井くんのお友達ときいて、
友達の友達は友達理論で！！！
って言っても私、
友達、九井くんだけだから、
乾くんともお友達なれたらなぁって。｣
そう言って笑いながら、
俺の腕を掴んで、ココの腕を掴んで、
歩き出される。
小さくて、か弱くて、
強くもない女だと思った。
だけど、その背中が大きくも感じた。
いつまでも追いかけてたその背中に、
似ているのかもしれない。
｢私、乾くんの顔結構タイプ。｣
九井｢美人だろ。｣
｢なぜ、あなたが自慢げに話すのかしら？｣
九井｢親しい友なのでね。｣
｢あ！！はぶくの！！仲間外れ！！！｣
って、慣れ親しんだ二人を見て、
どこか遠いとも思った。
俺とは、違う。
特に、今井なんて、
正反対の世界を生きていく。
それなのに、なんでかは知らないし、わからない。
乾｢俺が怖くないのか、｣
｢怖い要素ないよ？｣
君の瞳は、嘘の色が見えなくて。
変なやつ、そう思ったんだ。
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月兎(プロフ) - あぁもう涙…ほんと最高ですありがとうございます (2023年1月30日 6時) (
レス) @page16 id: 720c1829f9 (このIDを非表示/違反報告)
愚民 - 笑いあり、涙あり。最高すぎます🤦♀️更新楽しみに待ってますｯｯ！ (2022年7月20日 21時) (レス) @page20 id: 59cc64d62b (このIDを非表示/違反報告)
阿恵 - このお話の続きが見られて嬉しいです 更新頑張ってください (2021年9月16日 16時) (レス) id: f862afcdc8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ことり
| 作成日時：2021年9月15日 14時
