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ーー。 ページ12

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九井 side




思い出にしたのなら、
きっとそれは終わりの合図だ。




木魚の音に、人の泣く声。

線香の匂い。






九井「……………約束果たしたぞぉ、A。」





いつか話した、
葬式は豪華にしてやるよって。


金かけて、約束したあの日。






特服ばっか着てたから、
スーツ買ったのは誤算だった。

まぁ、いいけど、気にしてねぇし。




人の多さには驚いたけど。




人脈すげぇよな、前から思ってたけど、
友達多いよな、まぁいかつい奴ら多い。

大寿もきてんのか。





そうやって見渡していたのなら、

大きな声と胸ぐらを掴まれていた。





前から、俺らが気に食わなかったのか、
なんだかは知らない。


Aのおにーさんだ。







なんで、死ななきゃいけないのか、
殺されなきゃいけないのか。

遠回しに、その理由は俺たちだって言いたげで。





否定はしないし、守れもしなかった、守れなかった。






乾「それはっっ、」



イヌピーの腕を掴んで制止させた、
誰よりも不安だったのは、


あいつの家族だ。




こんな俺たちが関わっていいやつじゃなかった。







こんな俺たちの人生に、
巻き込んじゃいけなかった。

それなのに、巻き込んだのは俺たちだ。








九井「今井Aさんを、愛しています。」






でもな、イヌピー。
俺は、………………ちゃんと好きだ、Aのこと。


九井「俺の全部です、生きる意味で、
彼女の笑顔が、…………宝物です。



そばに居ながら、守れずに、すいませんでした。






俺が死なせたも同然です、
だけど、彼女は最後まで、………最後まで、


笑顔の絶えない、そんな人でした。」







溢れ出そうな、全てを押さえ込んだと思った。




そんな奴だったな、最後まで、
誰かのため、ばっかで。

友達認識しかされなくて。






乾「ココ、」



九井「なんだよ、イヌピー。」







乾「泣いてんのか。」


九井「……………っはは、泣いてんのか俺。
笑顔で送り出してやろうとか、思ったのに、
ダメだ、俺、……………だめだ。」






わかっていたのなら、
手荒な真似してでも、アジトから出さなかった。


なんなら、関わりすら切った。





あぁ、でも、何度同じ時間やり直したって。






九井「やり直せんなら、どこからやり直したい?」



乾「火事。」









きっとお前は、
俺に話しかけてきそうだしな。







______ 今井A 死亡軸 [ 終 ]

君が生まれた日。*乾HBD→←ーー。



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月兎(プロフ) - あぁもう涙…ほんと最高ですありがとうございます (2023年1月30日 6時) (レス) @page16 id: 720c1829f9 (このIDを非表示/違反報告)
愚民 - 笑いあり、涙あり。最高すぎます🤦‍♀️更新楽しみに待ってますッッ! (2022年7月20日 21時) (レス) @page20 id: 59cc64d62b (このIDを非表示/違反報告)
阿恵 - このお話の続きが見られて嬉しいです 更新頑張ってください (2021年9月16日 16時) (レス) id: f862afcdc8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ことり | 作成日時:2021年9月15日 14時

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