お姉さん、黙っといてあげる。 ページ33
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コナン「まさかあの時、」
「ジェットコースターの時会ってたよ。
ほらぁ、いたじゃん、私。」
コナン「っ、尚更教えてくれ。」
「教えたって無駄だよ。 」
コナン「は、」
「研究者が居なくなっちゃったからね。
その研究者がいなきゃ、解毒剤も作れないし。」
立ち上がっては、欠伸を零しながら、
部屋への道を歩いていく。
そうなのだ、
シェリーさんが途中で研究を辞めてしまったし、
出来上がってもいない薬の、
解毒剤なんてあるわけもない。
コナン「じゃあ戻れないのかよ。」
「薬のデータも知らないし、私。
こんな事言うのもなんだけどさ、
高校生の子供が首突っ込んだことが間違いなんじゃないの。
正義感が強くてご立派だとは思うけど、
じゃあなんで、…………ごめん、なんでもない。
お姉さん黙っておくから、もうやめな。」
なんで、お父ちゃんのことは助けてくれなかったの。
なんで、私のことは助けてくれなかったの。
そんなこと、今更言っても仕方がない。
探偵してない時だろうし。
それならそれで、なんで、
私のことは救ってくれなかったの、なんて、
ただの八つ当たりだ。
コナン「それでも俺は戻るために、
お前らを追いかけ続けるつもり。」
なんて、小さな小学生に言われてしまう。
ジンさんたちも思っていなかったろうに。
そんなことは誰もわからないだろうし。
あー、ほんとバカらしい。
「でも、ちゃんと捕まえに来てね。」
そんな言葉を投げたのならば、
コナンくんは、またもや目を見開いていた。
不確かな約束ばかり。
ねぇ、そうだよね、お母ちゃん。
守ってあげられなくてごめん。
隣にいてあげられなくてごめん。
嘘ついてばっかで、ごめんね。
コナン「お姉さん、」
耳を塞ぎたくなった。
コナン「もしかして。」
蘭「コナンくん!」
コナン「蘭姉ちゃん。」
蘭「すいません、ご迷惑かけて。」
彼の声が無駄に心に傷を着けるようにと、
呼ばれたその声に、涙が出かけた。
こんなの、意味なんてないとか思っても、
私はまた何も出来ないまま生きていくのか。
蘭ちゃんの声に意識を戻しては、
にっこりと笑ってみせる。
「大丈夫ですよ。」
ねぇ、ジンさん。
なんで私には汚れ仕事させないんですか。
あなたなりの、気遣いですか。
私はあなたのことが、
わかりません。
逃げませんよ、私は。→←ジンさんに似てきたのかもしれません。
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とまと(プロフ) - 初コメ失礼します!続編おめでとうございます…この小説大好きなので嬉しい限りです!これからも応援してます!! (5月9日 22時) (レス) @page50 id: a58e0df712 (このIDを非表示/違反報告)
す ズ き(プロフ) - マジでただのワガママなコメントなんですけど良かったらピンガとか出して貰えませんか…! (2023年4月30日 14時) (レス) id: 0fae52931b (このIDを非表示/違反報告)
くるん - 最高小説!!!!ありがとうございます! (2023年4月17日 3時) (レス) @page46 id: ebb5ee106d (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - まさかの血繋がってないんかいw (2023年4月15日 21時) (レス) @page45 id: cae0d8d8c8 (このIDを非表示/違反報告)
久遠(プロフ) - この小説好きです!!!結婚してください!!!!((( (2023年3月27日 13時) (レス) @page43 id: d025dfcb18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ことり | 作成日時:2022年5月2日 5時