わかってるつもりでした。 ページ17
.
｢吐きそう。｣
バーボン｢ハーフロックで酔う人間いるんだ。｣
｢初っ端からウイスキーな時点でおかしい。｣
バーボン｢美味しかった？｣
｢うぅん、ジュースでいいです私もう。｣
完全に一杯どころか半分で酔っ払ったのである。
吐きそう、ガチで。
そう考えながらも、
バーボンさんの愛車に乗り込み、シートベルトをした。
ターゲットはちゃんと殺したらしい。
何度も言う、どんな気持ちで私は、
それを見ればいいのだろうか。
バーボン｢なんで、ライを頼もうと思ったの。｣
｢理由なんてないですよ、ただ。
どれでも良くて、正直どうでもいいし、ほんとに。｣
ズキズキとした頭の痛み。
あの日を思い出してしまうから、
本当に嫌になってしまう。
本当に、吐きそうだ。
何もかも、全部、どうでもいい。
どこの誰が死のうが、
誰かを殺そうがとか、どうでもいい。
さっさと、消えろ。
バーボン｢けど、｣
｢ さっさと帰りましょ、私寝たいです。｣
人間っていうのは面倒臭い生き物なんだ。
人の言葉をさえぎって、
何も無かったようにと振舞って。
ガンガンと鳴り響くような痛み。
やっぱり、お酒なんて飲むんじゃなかった。
洒落たようなものは似合わない。
仕方がない、汚い人間なのだから。
窓の外を眺めながら、
誰も彼も綺麗な手をしていると思ってしまう。
たまに分からなくなる。
本当に私がお父ちゃんを殺したのか。
それとも、殺してないのか。
｢人には、｣
バーボン｢ん？｣
｢知りたいことは沢山あるのに、
知ってはいけなかったり、
知らない方が良かったりすることが多くあります。
バーボンさんは、どっちですか。｣
そんな問いかけをしたのならば、
ちらり、見たその横顔は、
確かなる信念を持っているようにも思えた。
それが、少し、
いや。
かなり羨ましいだなんて思ってしまったんだ。
バーボン｢いずれ知ることになるのならば、
僕は全てを知りたいと思う。｣
わかっていたんだ、本当は。
けどきっと、怖くて、たまらなくて。
本当に私だったら、という不安を抱えてしまうから。
｢じゃあ、私はどうするのが正解でしたか。｣
父親が死んだあの後から、
お母ちゃんはあの日に囚われたまま。
私は私で、
前に進むこともしないまま。
バーボン｢僕はあなたでは無いので。｣
わかってたんだ、本当は。
お気に入りなんですね。→←｢スコッチ、ハーフロックを彼女に。｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1080人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
とまと(プロフ) - 初コメ失礼します！続編おめでとうございます…この小説大好きなので嬉しい限りです！これからも応援してます！！ (5月9日 22時) (
レス) @page50 id: a58e0df712 (このIDを非表示/違反報告)
す ズ き(プロフ) - マジでただのワガママなコメントなんですけど良かったらピンガとか出して貰えませんか…！ (2023年4月30日 14時) (レス) id: 0fae52931b (このIDを非表示/違反報告)
くるん - 最高小説！！！！ありがとうございます！ (2023年4月17日 3時) (レス) @page46 id: ebb5ee106d (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - まさかの血繋がってないんかいw (2023年4月15日 21時) (レス) @page45 id: cae0d8d8c8 (このIDを非表示/違反報告)
久遠(プロフ) - この小説好きです！！！結婚してください！！！！（（（ (2023年3月27日 13時) (レス) @page43 id: d025dfcb18 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ことり
| 作成日時：2022年5月2日 5時
