好きな人に彼女が出来た件について。[ 終 ]

ついてくるか、答えはYES。 ページ46

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乾｢………………盛り上がってるとこ悪いが、
今喧嘩中だぞ、A。｣



｢乾くん、そーゆーとこだよ。｣






なんて、思いながら笑った後に、
銃の音が、鼓膜を刺激した。



ちらりっ、と見たのなら、

イザナくんと鶴蝶くんが倒れてて、






人が撃たれるとこ初めて見た。
死ぬとことか、ドラマだけの話だとか、思ってた。


ぎゅうっ、と九井くんの特服を握ったのなら、





バッと引き寄せられて、

見えないようにしてくれて。







怖いことは沢山あったけど、
でも、平気だった。


どこか大丈夫って、死にはしないって。






それなのに、
なのに、撃ち抜かれて、血の匂いがして。


カタカタと、自分が震えてることに気づいて。







九井｢……………Aが、
震えるほど怖いなんて、初めてだな。｣





｢んね、吃驚。
……………やっぱ、だめだよ、ね。｣



そう言って、気づいたら動いてることなんていつも。
それなのに、それなのに。


怖い。






｢死んじゃダメだよ、イザナくん。｣



黒川｢……………っはは、Aだ。｣

｢皆で、食べ歩きするって言ったもん、｣





黒川｢…………言ったなぁ、｣

｢九井くんが奢ってくれるよ。｣




黒川｢……………………あぁ、ほんとに、
似てて、だめ、だなぁっ、ほら、A、



ここからはなれ、ないと、
俺が九井におこられて、どやされるな、
なかせた、って、｣




手を伸ばされて、触れそうになる前に、
手は力なく、地面に倒れて、



涙しか、出なかった。






｢九井くんっ、イザナくんっっイザナくんが、｣


九井｢A。｣





｢死んじゃった、息してないのっ、息してなっ、｣



涙を流しながら、手を伸ばせば、
その手を握られて抱きしめられて、

頭を撫でられる。





顔を埋めて、泣くことしか出来なかった。





募る不安だらけで、このまま彼まで、
居なくなるかもという気持ちが、強くて。


安心させようとしているのか、




いつもみたいに、背中を撫でてくれる。







九井｢俺の道はこんなことばっかになる。
それでも、ついてくるか？｣




不安だらけの人生で、


怖いことばっかなのかもしれない。
それでも、


見上げたのなら、見つめられて。







｢じん"だら"や"だよ"っっっっ、｣



九井｢相変わらず泣き方ひでぇやつ。｣






私の人生をあげるって、言ったから、
どんな道でも、




答えはYESしか持ち合わせてないよ、私。

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