酔っ払い、マンネと再会した。 ページ41
.
少し遠回りをして、
帰ろうとした。
酔いを覚ますために。
覚束無い足取りで、
すこし転けそうになりながらも、
風に吹かれて。
前の人とぶつかったのは、許してよ。
思わず、その場に、座り込んじゃって、
思考回路も普通なんかじゃない。
サングラスをしてて、帽子かぶって、
マスクをしていたのは、
私がぶつかっちゃった人。
『大丈夫ですか？
…………わっ、お酒飲みました？』
その声は、聞きなれたはずの声で、
だから、今更、どうもないのに。
ぐーーっ、とサングラスと帽子、
マスクに手を伸ばして、
外したのなら、
何度も見た、あなたの整った顔。
目を見開いて、
わかりやすく、目をそらされた。
気まずいって顔。
ぼんやり、としてたのなら、
私の手から、
サングラスとかを取って、
立ち上がって、
去ろうとするから、思いっきし、
腕を掴んでやった。
瞳を揺らして、
分からないって顔。
私も、わからない。
｢ぐが、｣
JK｢………………うん、ぐがだよ。｣
｢ぐがっ？｣
JK｢なぁに、｣
｢ぐーーがーーー、｣
JK｢俺、ここにいるよ。｣
｢んははっ、ぐがだ。｣
JK｢っ、グガ、Aの前にいるよっ。｣
｢ねぇ、ぐが。｣
JK｢どうしたの、｣
｢あのね、グガ。｣
JK｢ちゃんと聞いてるよ、俺。｣
何度も、呼んだ。
夢なんじゃないかって、
もう二度と、こんなふうに会えるわけないって。
切ったのは、私からなのに。
彼の腕を掴みながら、
乾いた笑いが出ながら。
はたから見たら、
酔っ払いがマンネに絡んでる、ってやつで。
もちろん、他の人に、腕掴まれたけど。
気にしてなんて、なかった。
ただ、久しぶりにあなたをみて。
痛くなったのは、
ひとつの場所ばっかで。
｢いたい、いたくてたまんない、｣
子供なんかじゃないのに、
それでも、助けて欲しい、なんて、
都合がいいって、わかってる。
それでも、それでもさ。
ずっと、痛い。
｢ぐが、ここ痛い、｣
あなたの手を掴んで、
心に当てさせる。
揺れる肩、見開かれる瞳。
酔っ払いの戯言だって、
スルーしてくれたら、いいのに。
あなたは、
ちゃんと私を見た。
大きな瞳で、私を捉えて。
わからないって、顔をしていたんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2913人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みかこ(プロフ) - こんばんは(*^^*)めっちゃ妄想しながら読みきっちゃいました（笑）また続きが読みたいです❤ (2022年3月10日 1時) (
レス) @page50 id: 1116b407a7 (このIDを非表示/違反報告)
うぇーい←おい - いや待てよ....いっそこと夢主ちゃんに転生すれば良いのでは！？((((( (2021年5月23日 23時) (レス) id: 9a18975db5 (このIDを非表示/違反報告)
Sai*(プロフ) - 完結お疲れ様でした！私もJKに腰大丈夫とか言われたいです。今世はことりさんの小説で言われたんで、来世はぜひ本物に言われたいです。 (2021年5月21日 9時) (レス) id: dc816130a5 (このIDを非表示/違反報告)
リズ憂孤(プロフ) - こんばんわぁ。とても面白かったので、続きがとっても気になり、感想など書かせて頂きました。ぜひ、続きを読みたいですぅ|*´∀`)ﾉｼ) (2021年5月5日 19時) (レス) id: bed86e272b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ことり
| 作成日時：2021年5月5日 11時
