僕も、バカだってわかってる。 ページ10
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風楽 side
気になって、目が離せなくて。
かたかたと震えているのを見る度に、普通の子なんだな、と実感する。連絡先をほとんど無理やり交換した後に、帰路につく。きっと家に帰ったとしても、あーだこーだと言われることだけは目に見えていた。それぞれがこうも複雑に絡み合った僕らの世界では、きっと彼女はすぐ様に死んでしまうことだろう。僕のことを探っている他の組織とか、他のマフィアも彼女に目を付けるのも予想ができる。ひばも、考え無しではない。きっと、これ以上あの子をこちら側に入れないために言ったのも、僕のことを心配して言ってくれた事なのも、全部わかっている。それでも、泣いてるところを見て守りたいとかさ。僕と同じ黄色だからて選んだのも、全部が愛おしくなる。これも、ちゃんとした人間としての感情なんだと感じながら、僕は笑っていたに違いない。
窓ガラスに映る僕が笑っていることに気づいたのはアキラで。｢何笑ってるんですか。｣て言われるから、ん〜？て上機嫌になりながら、アキラへと目線をうつした。首を傾げているアキラと、フロントガラスに映る不機嫌そうなひば。セラなんて欠伸をこぼしているのだから、それぞれ違うなぁと思ってしまう。今までの女の子たち、って言い方は良くないかもだけど、わかるような私利私欲に染まった瞳を向けられてきた。それを見る度に、どうせ風楽である僕を見つめているんだろうな、てわかる。それは、あの子も同じ。風楽の奏斗だから通報しようとしてだけどさ。
風楽｢普通じゃなさそうで、普通だとさ。気になるよね、｣
四季凪｢線引きはしてくださいよ。｣
風楽｢わかってるよ、｣
渡会｢俺はダメだと思うけどね。｣
風楽｢ひーば、｣
セラフ｢俺も雲雀と同意見。普通だからこそ、俺たちはここまでにするべきなんじゃないの？奏斗、｣
風楽｢セラまで。うーん………、そうねぇ、｣
僕も、バカだって分かってる。
けどそれでも、理性は言うが、本能はなんていうでしょう？車の窓から見える街の光。きっといくら足掻けども、触れることは出来ないのだろう。陽の光が当たる場所で、僕達は呼吸さえもできない。それなのに、焦がれてしまったんだ。淡く光る、その色に。鼻をくすぐるような甘い匂いに、小さな手で、身体で、懸命に噛み付こうとして、泣いてしまったあの子に、僕は興味を抱いた。指先で、スマホの画面を撫でる。冴島Aの文字列に、また僕は笑みを零していた。
月に手を伸ばしても、届かぬように。→←それは完全なる間違いだ。
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そらの(プロフ) - すごく好きな作品です！更新頑張ってください！ (2月12日 1時) (
レス) @page28 id: 17ad6f88d5 (このIDを非表示/違反報告)
miyaana(プロフ) - パスワード解除ありがとうございます！ずっと待ってました！！！ (2月8日 0時) (レス) id: dd83a370ce (このIDを非表示/違反報告)
さくらなぎ。(プロフ) - この作品めっちゃ好きです…kntくん供給少ないので助かりました…これからもずっと応援してます…！！ (11月11日 23時) (レス) @page10 id: 2b648593bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ことり
| 作成日時：2023年11月11日 21時
