これ、拉致ってことでいいですかね。 ページ5
.
この車絶対に五人乗りじゃないって。死ぬほどギューギュー詰めというのか、赤色を身に纏う人の身長高すぎるし、紫色の彼も天井スレスレですやん。いや、全員高いって。圧が、圧がある。大学生の私、冴島A。ただ今車に乗せられ、どこかへと向かわされています。もしかしたら海に沈められるのかも、思いつつ、ガタガタと震えることしか出来ません。お父さん、お母さん、親不孝者でごめんね。なんて重いつつも、彼ら4人はわちゃわちゃと話していた。
風楽「いやだから、ここはDiorだって!!お前ら今どきの若い子がGUCCIばっかだと思うな!Dior!Diorに一票!」
四季凪「はーー、これだから男は。」
風楽「アキラも男だろ!な、ひば!!セラ!!!」
セラフ「そうだそうだ、凪ちゃん!!俺はどちらかというと、飯でも良いんじゃないかなと思う。ここは回らない寿司でしょ、回らない寿司!!」
渡会「いや、ちょ、決めて!!早く行く場所決めて!!まじで!お前ら!運転者の気持ちも考えろ!!早く決めろって、なぁ!!!」
ただ、ずっとどこに行くのか論争を繰り広げていた。風楽さんと、アキラと呼ばれた方の間に挟まりながら、私は頭を悩ましくしている。ここから逃げ出そうにも、車の中だから逃げれることも出来ない。ただ、私は見逃さなかった。風楽さん足あたりにあるガンホルダーを見るに、多分ほんとにそーゆー系なんだということを察する。騒がしいような声を聞きながら、スマホを取り出したのならば、アキラさんに取り上げられた。連絡すると思われたことだけは感じながらも、警戒心だけは高くしつつ、見つめると、風楽さんに手で目を隠される。
それに驚いていたのなら、「こぉら、アキラなんか見ても楽しくないよ。」という声に対し、「なんかってなんですか、なんか、とは!私がこの子の名前も全部調べたんでしょうが!!」という言葉。やはり、彼が私の情報全部を調べて教えたのだろう。それに、ごくりっと唾を飲み込みながら、とんとんっと指先で手を叩くと、手を外される。眩しいような光に、ぱちぱちっと瞬きをしては振り返り、風楽さんを見た。さっきから、何がなんなのか分からない。それに、彼の言ってた責任、もわかるわけが無い。
「とりあえずこれ、拉致ってことでいいですかね。大学の人たちも見てるし、捕まるのも時間の問題じゃ、」
風楽「そうだね、そう上手くいくといいね。」
「は、」
面白そうに、彼は言う。
1131人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
そらの(プロフ) - すごく好きな作品です!更新頑張ってください! (2月12日 1時) (レス) @page28 id: 17ad6f88d5 (このIDを非表示/違反報告)
miyaana(プロフ) - パスワード解除ありがとうございます!ずっと待ってました!!! (2月8日 0時) (レス) id: dd83a370ce (このIDを非表示/違反報告)
さくらなぎ。(プロフ) - この作品めっちゃ好きです…kntくん供給少ないので助かりました…これからもずっと応援してます…!! (11月11日 23時) (レス) @page10 id: 2b648593bc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ことり | 作成日時:2023年11月11日 21時