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マフィアの恩返しは求愛。 ページ31

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密「え、なに?マフィアの息子に好意を向けられてた?鶴の恩返しでのハタなんかじゃなく、マフィアの恩返しは求愛でしたってか。」

「もうやだぁ、言い方最悪なんだけど、密ちゃん。」

密「ごめんって。けどさぁー、何が嫌なのよ。ブランド物もくれる、お金は毎回出してくれるし、手を出す訳でもない。まぁ、マフィアなのはアレかもだけど。」

「マフィアは嫌だよ、でも。いくら優しくても、良い人でも、私のことを好きでいてくれても。私は、ちゃんと太陽を見上げられる人がいい。」

密「我儘娘。」





カラカラと、氷がガラスにぶつかる音が響く。アイスティーを飲みながら、そんな話をするしかなかった。汗をかいて、涙を流しているアイスティーは、私よりも感情的だと思うほどに、私の方が冷めきっている部分があるんだろうな、と思うほど。大学内の学食で、目の前でパスタを食べてる密ちゃん。鶴の恩返しとか言わないでよ、て言えば、ハイハイとしたようなテキトーさ加減。変わらないな、と思いつつも、きっとそれを受け入れることは出来ないのだろう。彼が帰ったあとに、いつも通りシャワーを浴びて、着替えてメイクしてってした、大学。ただ、寝たくせにと言った時に顔を赤くしていたのは、可愛いとは思うけど。




確かに他から見たら優良物件かもだけど、そんなことで決められるほど、私は馬鹿じゃないし、コドモなんかじゃない。




人の死について、命について、奏斗くんは語っていた。それを聞いた時に、少なからず殺したことはあるんだろうな、て思った。生きたいと思っちゃった、のも、前にお天道様の下は歩けない、て言ってたのも覚えている。ちゃんと覚えているからこそ、私はマフィアはノーセンキューなのだ。普通に生きて、普通に死んでいくだけの人生を望む私と、そうじゃない道を既に辿っているキミとじゃ、交差する部分は存在しないの。いくら道を歩いたって、並行するようにと別の道をあなたは辿っているから。いつまでも、結ばれない世界で息をするだけ。





「生きる世界が違うんだろうな、て思うの。」

密「うん、まぁ、そうだろうね。」

「密ちゃん、私は普通に生きたいよ。普通に大学を卒業して、普通の会社に入って、普通の人と結婚して、普通に死にたい。」

密「そればっか。」

「これって、我儘なのかな。」

密「我儘でしょ、とんでもないぐらいの。」

「そっか。」

さよならするのが吉でしょう。→←私の事、好きなの?



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そらの(プロフ) - すごく好きな作品です!更新頑張ってください! (2月12日 1時) (レス) @page28 id: 17ad6f88d5 (このIDを非表示/違反報告)
miyaana(プロフ) - パスワード解除ありがとうございます!ずっと待ってました!!! (2月8日 0時) (レス) id: dd83a370ce (このIDを非表示/違反報告)
さくらなぎ。(プロフ) - この作品めっちゃ好きです…kntくん供給少ないので助かりました…これからもずっと応援してます…!! (11月11日 23時) (レス) @page10 id: 2b648593bc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ことり | 作成日時:2023年11月11日 21時

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