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私の事、好きなの? ページ30

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触れるような体温が、やけに冷たかった。
かさついたような指先が、私の頬を撫でた。




甘いような、愛おしそうな瞳を向けられたままで、どうにもやはりむず痒い。きっと、あなたを心配していて少し眠れなかった夜は、あなたが隣で眠りについた時から、また前に戻ったと思う。手を掴まれて、持ち上げられては勝手に奏斗くんの頬に、手を添える形にされる。柔らかくて、ちゃんとお手入れされてるような、綺麗な肌。こんなことされたら、普通の子というか、大学の女の子たちはイチコロだろう。女の子に困ってなさそうな彼が、どうしてここまで私を大切にするのか分からない。ただ、怪我を手当しただけなのに。命の恩人という訳でもない。軽傷を少し手当しただけなのに、何でここまで追いかけてくるのかな、てふと思ってしまう。好奇心なんか、抱くもんじゃない。





「奏斗くんってさ。」

風楽「なぁに。」

「私の事、好きなの?」

風楽「え、」

「だって、こんなに追いかけてくるし。」

風楽「あ、ぇ、……………それマジで言ってる?」

「え、なに。」

風楽「僕、てっきり伝わってるもんだと思ってたんだけど。あ〜〜〜……………、まじか。全然意識してもらえてなかったってことじゃん。凄いショックなんだが…………??」





ぽつり、問いかけた。私の手に擦り寄って、いつまでも外に行かない奏斗くん。好きなの、て問いかけをすれば驚いたあとに、疑うような顔をされた。キョトンっ、としたような顔をすれば、へにゃへにゃとその場に座り込んでは、かなりショックをくらっている様子。こちらを見上げながら、まじ?のするから、だいぶ前からなのだろう。全然意識してない、というか生物学上での意識はしているつもり、ほんとに。けど、気を許しているのも事実。目線を合わせるようにとしゃがみこみ、夜空を閉じ込めた瞳を見つめる。別にね、そんな感情抱かないで、とまでは言わないけど、少なくとも私は裏社会の人と付き合うつもりは無い。なぜなら、私の人生設計ではこの先の人生も、普通であることを望むから。




「意識してない男を家に上げちゃダメだからね、これからは。」て言葉に「はぁい、」て間延びしたような返事をする。「それと、男と一緒のベッドもダメなんだから!」ていうようなお叱りに似た言葉に、「寝たくせに。」ていうと、奏斗くんはじわっと顔を赤くしていた。本当にこの人、子供みたいで面白いんだよなぁ、て思っていた。

マフィアの恩返しは求愛。→←「生きたいって、思っちゃったな。」



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そらの(プロフ) - すごく好きな作品です!更新頑張ってください! (2月12日 1時) (レス) @page28 id: 17ad6f88d5 (このIDを非表示/違反報告)
miyaana(プロフ) - パスワード解除ありがとうございます!ずっと待ってました!!! (2月8日 0時) (レス) id: dd83a370ce (このIDを非表示/違反報告)
さくらなぎ。(プロフ) - この作品めっちゃ好きです…kntくん供給少ないので助かりました…これからもずっと応援してます…!! (11月11日 23時) (レス) @page10 id: 2b648593bc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ことり | 作成日時:2023年11月11日 21時

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