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君がいる朝とやら。 ページ28

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風楽 side





何かを焼く音がする。美味しそうな匂いもして、目が覚めた。そこは、見慣れてない部屋の風景。ぱちぱち、と瞬きをした後に起き上がる。昨日の夜に、抱きしめて寝たはずの彼女がどこにも居なくて、少し焦りながら視点を上げればキッチンでご飯を作る後ろ姿。オーバーサイズのスウェットでも少し小ささを感じるけど、のそりとベッドから出ては、ぎゅうって後ろから抱きしめる。ぐりぐり、と顔を背中に押し付けていれば「危ないよ。」て注意されちゃったけど。どうしよう、こんな朝が毎日やってきて欲しい、て思っちゃった。寝て起きたら君がいて、僕のために朝ごはんを作ってくれて、安心して眠れる夜が続けばいい、って願ってしまった。





「すごく寝てたね。」

風楽「最近、まともに寝てなかったから。」

「そう、」

風楽「気にならないの。」

「興味無いし。」

風楽「そっか、」

「どうせ、命狙われてるから〜とかだと思うしさ。」

風楽「正解。ん、おいしそー、なにか手伝うことある?」

「テーブルの上片付けて欲しいかも、テキトーに置いていいよ。」





Aちゃんの匂いがする。そんな変なのじゃなくて、シャンプーと柔軟剤が混じりあった匂いが、鼻腔を刺激していた。眠たいような頭も、それによって覚醒しつつ、そこに君がいるということを改めて感じる。お腹に回した腕に、力を少し込めて。それにもなんの反応も示さずにいては、変わらないような反応。せめてなにか手伝いたいな、て思えばテーブルの上、て言われる。ちらり、視線をそちらへと向けたのなら、少しだけものが置いてある程度で、散らかってるわけでもなかった。部屋の中を確認して、似ていたりするものの近くにおいては、布巾を渡されるから、机の上を拭いた。そのあとに、布巾を洗っていれば、机の上に置かれていく朝ごはん。




多分、ホテルのモーニングとか、旅館の朝食よりも、高価なものだと思ってしまう。勘違いしないで欲しいのは、それを否定してるとか下に見てるとかではなくて。君が、Aちゃんが作ってくれた朝ごはんだから、価値があるみたいな。椅子に座って、手を合わせていただきます、て一言。そのあとに、口に運べば、普通で、けど美味しくて。「美味しい、」て言うと「高いもの食べてるくせに。」て返されちゃう。「ほんとに、すごく美味しい、」て僕はこの味を噛み締めていた。忘れたくない、て本能が叫んでいたから。

「生きたいって、思っちゃったな。」→←きちゃった。



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そらの(プロフ) - すごく好きな作品です!更新頑張ってください! (2月12日 1時) (レス) @page28 id: 17ad6f88d5 (このIDを非表示/違反報告)
miyaana(プロフ) - パスワード解除ありがとうございます!ずっと待ってました!!! (2月8日 0時) (レス) id: dd83a370ce (このIDを非表示/違反報告)
さくらなぎ。(プロフ) - この作品めっちゃ好きです…kntくん供給少ないので助かりました…これからもずっと応援してます…!! (11月11日 23時) (レス) @page10 id: 2b648593bc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ことり | 作成日時:2023年11月11日 21時

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