君からの連絡が来なくて。 ページ26
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家に帰って、次の日になっても連絡が来なくて。いつもなら、意味のわかんない報告とか、写真とか送ってくるくせに、それが朝になっても来なかった。でも、こんなの普通なんだと思う。普通なら、連絡が来なくたって、心配にはならない。ましてや、一日というのか夜の時間だけ。だから、大丈夫だよね、と言い聞かせていた。大学に行かないと、て思いつつ、液晶画面を朝だけで何度も見つめてしまうほど。溜息を吐き出しては、大学についてしまい、やる気のない講義たちに頭を悩ませる。いつもなら、この時間帯に奏斗くんから連絡が来るはずなんだ。今日の放課後にさ、みたいな誘い方をされる。それに、私はずーっと、いいよって答えるやり取りも。侵食されている気分にもなった、私の日常に当たり前のようにと、隣にいる感覚。
居ないのにね、馬鹿みたい。
密ちゃんとカフェで待ち合わせて、お昼ご飯を頼んで。パスタを頼んでから、ラテを飲む。くるくる、と氷を回しながら、溶けていく様子を見つめるだけだった。じんわりと溶けて、そのまま染まってしまう様子を、見つめることしか出来ずにいた。多分きっと、私みたくなんにもなれないまんまなんだろうな、てことをぼんやりと考える。目の前で不思議そうな顔をしている密ちゃん。ごめんごめん、と謝りながらも、スマホを思わず見てしまう。ストレートティーを飲みながら、こちらを見るから、ハッ、てしての繰り返し。なんだか、ずーっと上の空であることを感じてる。それほとまでに、私は君が心配なんだよ。
「ごめんって、」
密「なんかあったの?」
「なにもないよ。」
密「うそ、」
「ただ、連絡が来ないだけ。よくよく考えてもさ、相手も忙しいだろうし、ね。返事とか連絡とか、頻繁に来るのも違うよな、って。」
密「いつから?」
「昨日の夜から。だから、期待しすぎ、ってやつ?」
密「さすがに半日連絡ないだけでどーたらこーたらは、やばいよ。」
「分かってるよ。」
嘘、わかってないよ。連絡がこんなにも待ち遠しいと思わなかった。基本的に人へと連絡するような人間でもなかったから。友達がいない、とかではなく、返事を返すのが面倒、みたいなやつ。スマホ画面を眺めても連絡が来る訳では無い。自分から連絡するべきなんだろうけど、そんなこと出来ずにいる。私って臆病者。けど、そんなもんじゃない?相手が特殊なのもあるわけだし、なんてね。
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そらの(プロフ) - すごく好きな作品です!更新頑張ってください! (2月12日 1時) (レス) @page28 id: 17ad6f88d5 (このIDを非表示/違反報告)
miyaana(プロフ) - パスワード解除ありがとうございます!ずっと待ってました!!! (2月8日 0時) (レス) id: dd83a370ce (このIDを非表示/違反報告)
さくらなぎ。(プロフ) - この作品めっちゃ好きです…kntくん供給少ないので助かりました…これからもずっと応援してます…!! (11月11日 23時) (レス) @page10 id: 2b648593bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ことり | 作成日時:2023年11月11日 21時