検索窓
今日:11 hit、昨日:149 hit、合計:120,032 hit

君からの連絡が来なくて。 ページ26

.







家に帰って、次の日になっても連絡が来なくて。いつもなら、意味のわかんない報告とか、写真とか送ってくるくせに、それが朝になっても来なかった。でも、こんなの普通なんだと思う。普通なら、連絡が来なくたって、心配にはならない。ましてや、一日というのか夜の時間だけ。だから、大丈夫だよね、と言い聞かせていた。大学に行かないと、て思いつつ、液晶画面を朝だけで何度も見つめてしまうほど。溜息を吐き出しては、大学についてしまい、やる気のない講義たちに頭を悩ませる。いつもなら、この時間帯に奏斗くんから連絡が来るはずなんだ。今日の放課後にさ、みたいな誘い方をされる。それに、私はずーっと、いいよって答えるやり取りも。侵食されている気分にもなった、私の日常に当たり前のようにと、隣にいる感覚。




居ないのにね、馬鹿みたい。
密ちゃんとカフェで待ち合わせて、お昼ご飯を頼んで。パスタを頼んでから、ラテを飲む。くるくる、と氷を回しながら、溶けていく様子を見つめるだけだった。じんわりと溶けて、そのまま染まってしまう様子を、見つめることしか出来ずにいた。多分きっと、私みたくなんにもなれないまんまなんだろうな、てことをぼんやりと考える。目の前で不思議そうな顔をしている密ちゃん。ごめんごめん、と謝りながらも、スマホを思わず見てしまう。ストレートティーを飲みながら、こちらを見るから、ハッ、てしての繰り返し。なんだか、ずーっと上の空であることを感じてる。それほとまでに、私は君が心配なんだよ。





「ごめんって、」

密「なんかあったの?」

「なにもないよ。」

密「うそ、」

「ただ、連絡が来ないだけ。よくよく考えてもさ、相手も忙しいだろうし、ね。返事とか連絡とか、頻繁に来るのも違うよな、って。」

密「いつから?」

「昨日の夜から。だから、期待しすぎ、ってやつ?」

密「さすがに半日連絡ないだけでどーたらこーたらは、やばいよ。」

「分かってるよ。」





嘘、わかってないよ。連絡がこんなにも待ち遠しいと思わなかった。基本的に人へと連絡するような人間でもなかったから。友達がいない、とかではなく、返事を返すのが面倒、みたいなやつ。スマホ画面を眺めても連絡が来る訳では無い。自分から連絡するべきなんだろうけど、そんなこと出来ずにいる。私って臆病者。けど、そんなもんじゃない?相手が特殊なのもあるわけだし、なんてね。

きちゃった。→←違う世界、境界線の向こう側。



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (242 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1130人がお気に入り
設定タグ:2j3j , knt
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

そらの(プロフ) - すごく好きな作品です!更新頑張ってください! (2月12日 1時) (レス) @page28 id: 17ad6f88d5 (このIDを非表示/違反報告)
miyaana(プロフ) - パスワード解除ありがとうございます!ずっと待ってました!!! (2月8日 0時) (レス) id: dd83a370ce (このIDを非表示/違反報告)
さくらなぎ。(プロフ) - この作品めっちゃ好きです…kntくん供給少ないので助かりました…これからもずっと応援してます…!! (11月11日 23時) (レス) @page10 id: 2b648593bc (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ことり | 作成日時:2023年11月11日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。