｢またね、｣ ページ24
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私を車に押し込んで、痛みを感じてくるくせに、手を伸ばして怪我がないか確認してくる奏斗くん。触って、出血点が無いかって確認するから、かたかたと震える手を伸ばしながら｢わ、たしより、奏斗くん、腕っ、血、出て、｣て震えた声で、単語ばっか出ちゃって。なのに奏斗くんは柔らかく微笑んで私の頭を撫で、ハンカチを取りだしては頬についた血を拭うようにしてくるから。その優しさが、苦しくて、今は自分のこと心配してよ、って言いたくなって。何をどうしたらいいか分からないけど、でもあれ、奏斗くんさっき、俺って言った？ぐちゃぐちゃになっていく思考回路。気持ち悪い、吐きそうて自分の思考に可笑しくなる。するり、と私の手に触れることも無く、運転席に座っている渡会さんに声をかける奏斗くん。
風楽｢ひば、頼んでいい？｣
渡会｢でもっ、奏斗！！｣
風楽｢お願い。ひばにしか頼めないから。｣
渡会｢は、｣
風楽｢いこう、アキラ、セラフ。大体の目星はついてるし、それに、別件もわざと起こされた感じっぽいし。処理はちゃんとしとかないと、｣
四季凪｢その腕で行くつもりか、お前。｣
風楽｢行ける行ける。手元狂ってもまぁほら、死んじゃっても、仕方ないと思うし。｣
セラフ｢そーゆー問題？｣
風楽｢そーゆー問題。じゃ、ひば。Aちゃんのことお願いね。もししくったら、…………分かってるよな？｣
渡会｢っ、わーったって。危ないから、シートベルト付けといて。荒れるから、｣
｢まっ、｣
風楽｢………… " またね "、Aちゃん。｣
思考が追いつかない。何を話してるのか、理解が出来ない。ぐちゃぐちゃになりながらも、銃声は先程の一度のみで。多分、奏斗くんたちには全部がわかるのだろう。かたかたと震えたまま、奏斗くんが落ち着かせるようにと私の頭をよしよしと撫でているから、余計分からなくなる。渡会さんに頼みつつも、声を低くして圧をかけているのを聞いた瞬間に、ごくっと唾を飲み込んだ。マフィアの、奏斗くんとか思っちゃって。渡会さんの言葉に、シートベルトを付けたのなら、奏斗くんがまたもや柔らかく笑いながらも、またね、と言っていた。
さよなら、を使うことが多いと語る奏斗くん。そんな彼が、またね、って言っていた。だから、また会えるよね？て思うしかなくて。それを信じるしかなくて。ドアを閉じられる。遠くなっていく背中を、私は見つめることしか出来ずにいたんだ。それがどうにも、寂しい。
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そらの(プロフ) - すごく好きな作品です！更新頑張ってください！ (2月12日 1時) (
レス) @page28 id: 17ad6f88d5 (このIDを非表示/違反報告)
miyaana(プロフ) - パスワード解除ありがとうございます！ずっと待ってました！！！ (2月8日 0時) (レス) id: dd83a370ce (このIDを非表示/違反報告)
さくらなぎ。(プロフ) - この作品めっちゃ好きです…kntくん供給少ないので助かりました…これからもずっと応援してます…！！ (11月11日 23時) (レス) @page10 id: 2b648593bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ことり
| 作成日時：2023年11月11日 21時
