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そんなんじゃないっての。 ページ21

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密「で、付き合ったの?」

「付き合ってないよ。」

密「あんだけ出掛けといて?」

「そんなんじゃないっての」

密「それなら何なの?」

「お礼、らしい。もう2ヶ月ぐらい経ってるけど、そろそろ要らないんだけどな。」

密「そう言った?」

「言ったの!もういいですよ、て!!なのに彼は、僕がしたいだけだから、て!」

密「最早求愛では?」

「恩返しが求愛って、鶴の恩返しかて。」





おもろ、て笑いながら、スマホを弄っている密ちゃんを見つめていた。大学近くのカフェでお昼を食べていた。パスタを食べつつも、目の前でケラケラと笑うものだから、もう!て怒るしかない。悪い人では無い、ことはちゃんと分かっている。エスコートしてくれるし、さり気ない紳士的なとこもある。それが、どうにもやはり結びつくのは、マフィアの息子だから、というもの。奏斗くんは、私のことをマフィアの息子だから、と判断しない子、とでも思っているのだろう。そんな、まるで性善説を信じているかのようにと。だからこそ、騙されやすそうだな、と思ってしまった。




いやまぁ、そんなことは無いだろうけど。一応はほら、マフィアの息子ですから。そんなことばっか考えて、私の風楽奏斗への印象というのか、なんというのか、大半はマフィアの息子だから、という言葉で片付いてしまう。普通に少し憧れているとこも、少し寂しそうな瞳をするのも、マフィアだからなのかななんて。そんなことばっか考えて、奏斗くんのことを知ろうとしてない私は、酷い女だと思った。サイテーだな、って。からからと、アイスカフェラテをストローで回す。溶けて滲んでいく透明色が、その色を保てずに、染まっていくのを私は見つめることしか出来ない。ちゅうっ、て吸い込んだ。





「密ちゃんは、どう思うの。」

密「ん〜?」

「マフィアの息子だよ?相手は。」

密「怖いよね。」

「んぇ、」

密「だって相手、いつ死ぬか分からないし、巻き込まれるかもしれないし。Aも、早めに縁切りたいなら切りなね。巻き込まれるよ、これガチで。」

「……………そうだよねぇ。」





密ちゃんな言う通り、だと思う。ほんとに、その通りだ。何時までもズルズルと、よく分からない関係を続けるのはよくないと思う。Limeの通知音が響くから。視線を下へと向けたのなら、奏斗くんからで。[ 今度このお店行こう!]の誘いに、これもはや奏斗くんの行きたいとこに連れ回されてるだけでは?と今更気づいた。

だって私たち、人間ですから。→←案外君も普通なんだね。



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そらの(プロフ) - すごく好きな作品です!更新頑張ってください! (2月12日 1時) (レス) @page28 id: 17ad6f88d5 (このIDを非表示/違反報告)
miyaana(プロフ) - パスワード解除ありがとうございます!ずっと待ってました!!! (2月8日 0時) (レス) id: dd83a370ce (このIDを非表示/違反報告)
さくらなぎ。(プロフ) - この作品めっちゃ好きです…kntくん供給少ないので助かりました…これからもずっと応援してます…!! (11月11日 23時) (レス) @page10 id: 2b648593bc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ことり | 作成日時:2023年11月11日 21時

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