チョコレートブラウンが僕を焦がす。 ページ3
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風楽 side
やらかした、ミスった。それだけを感じていた。
幸い、大きな傷がある訳でもないが、少なくとも掠めたということだけはわかる。じんわりとした痛みが熱を帯びていて、生きているんだと錯覚するほど。相も変わらずな依頼を受けて、少し無謀かもな作戦で突っ込んで。これ、アキラに怒られるよなぁてことは思ってた。大通り、僕を見ることも無く、見つけることもな通り過ぎていく。裏社会だなんていうし、マフィアだなんて言うけれど、それでも僕らは人間だった。憧れるし、良いなと思えども、触れてはならぬ世界。憧れてばかり、きっとその光り輝く世界じゃ、僕らは生きていけないから。そうやって思いながら、ひばたちに迎えに来てもらわんとなと思っていたのなら、影が指す。
眩しい世界から隠すようにと、手を伸ばされてあれやこれや言われながら、手当をされてしまう。それに、痛みを感じつつも、じんわりとした優しさも感じていた。きっと、感じたことも無い全部だ。指先が肌に触れて、傷口に触れる度に、じくじくとした痛みが強くなる。きっとそれは、傷の痛みなんかじゃなくて、もっと別の、違うところの痛みだ。チョコレートブラウンの髪を揺らしながら、僕を見下ろす。急いで名前を聞こうにも、名乗る程じゃない、とかどこのドラマ？て思わず笑っちゃいそうになりながら、名乗って。彼女は、振り返って会釈してから、その場を後にしていた。スマホを取りだして、いい加減拾ってもらうついでにアキラにかける。
風楽｢あ、もしもし、アキラ？あのさ、お願いしたいことあるんだけど、｣
四季凪『どこで何やってんですか、そもそも！！！怪我は大丈夫なんですか、それ！！』
風楽｢うん、うん。ごめんって、怪我は平気。手当してくれた。｣
四季凪『手当？誰が？？』
風楽｢誰がって、………それを調べて欲しくて。｣
四季凪『はぁ、なるほど。』
風楽｢ーー大学の、同い年ぐらいでさ。髪の毛は、チョコレートブラウンで、身長は157cmぐらい。ヒール履いてたから、少し誤差あるかも。｣
四季凪『こっまか、大学がわかってるのは有難いですね。迎えは？いりますか。』
風楽｢ごめん、ありがと。お願いね。ひばに迎えに来るよう言っといて。｣
脳裏に刻まれた、チョコレートブラウンが僕を焦がしていた。ほんの少しの好奇心を殺すことの出来なかった人間は、僕なんだろうな。
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そらの(プロフ) - すごく好きな作品です！更新頑張ってください！ (2月12日 1時) (
レス) @page28 id: 17ad6f88d5 (このIDを非表示/違反報告)
miyaana(プロフ) - パスワード解除ありがとうございます！ずっと待ってました！！！ (2月8日 0時) (レス) id: dd83a370ce (このIDを非表示/違反報告)
さくらなぎ。(プロフ) - この作品めっちゃ好きです…kntくん供給少ないので助かりました…これからもずっと応援してます…！！ (11月11日 23時) (レス) @page10 id: 2b648593bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ことり
| 作成日時：2023年11月11日 21時
