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夜空のような、淡い光を宿した瞳。 ページ2

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「手当、」

『え、』

「しましょうか。応急処置ですけど。」

『あー、っと、』

「見てらんないんですよ。そーゆー、あからさまな怪我人とか、困ってるのとか見て、知らないフリすると後悔しそうで。だから、黙って手当されててください。」

『ちょっと、お嬢さん!?』

「なんの話も聞きません。興味もないです。ただ、私の後悔にならないでください。」

『あ………ははっ、君、強引だね。』

「そうでもしないと、人間って迷惑かけたくないとか馬鹿なこと考えて、手を離すじゃないですか。それが、嫌いなだけです。……ん、出血も大丈夫ですね。早めに病院行ってください。場所わかります?」

『や、大丈夫です。仲間、あーっと、友達が。迎えに来るんで。ありがとうございます、あ、名前、』

「名乗るほどのものじゃないです。お礼もいりません。私の、自己満足でしただけなので。それでは、」

風楽「え、ちょっと!!僕、風楽奏斗!名前だけでも覚えといて!」





しゃがみこんで、目線を合わせる。夜空のような、淡い光を宿した瞳に見つめられながらも、声を絞り出す。言葉を濁すのを聞きながら、きっと何かしらの事情とやらがあるのはわかった。だけど、それを聞くこともない。興味がある訳でもない。カバンから救急箱のようなものを取り出す。といってもポーチなのだが。彼の言葉を聞くことも無く、手を伸ばした。上着を少し脱がせて、肩の切り傷のようなかすり傷のような場所を消毒する。包帯を巻いて、ってのをほかの箇所にもやれば、応急処置は終わりを告げていた。時折彼は、いてっと小さな声を漏らしていたが、そんなのお構い無しだった。全部の手当が終わって、道具を片しながら病院へ行くように伝える。




名前って言われるから、別にこれっきり会うこともないのにと思い、名乗るほどのものじゃないです。と告げながら、路地裏から出る。慌てたようにと、名前を名乗られてしまうから、興味無いんだけどなと考えながら、会釈をしてはそのまま歩き出した。スマホで時刻を確認する。一限はないから、二限からだからどうしようかなと考えて。大学に備え付けられているカフェにでも行って、モーニングでも頼もうか。ゆらゆらと、ゆれる黄色が眩しかったのだろうか。脳裏に浮かぶ先程の彼の顔。風楽奏斗、その名前を心の中で繰り返しながらも、もう二度と会うこともないと思っていた。




その時の、私は、そうだと間違わずに思っていたから。

チョコレートブラウンが僕を焦がす。→←もし恨むことがあるのなら。



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そらの(プロフ) - すごく好きな作品です!更新頑張ってください! (2月12日 1時) (レス) @page28 id: 17ad6f88d5 (このIDを非表示/違反報告)
miyaana(プロフ) - パスワード解除ありがとうございます!ずっと待ってました!!! (2月8日 0時) (レス) id: dd83a370ce (このIDを非表示/違反報告)
さくらなぎ。(プロフ) - この作品めっちゃ好きです…kntくん供給少ないので助かりました…これからもずっと応援してます…!! (11月11日 23時) (レス) @page10 id: 2b648593bc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ことり | 作成日時:2023年11月11日 21時

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