愛らしいを具現化した存在。 ページ44
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加賀美 side
彼女は、そこにいた。
小さな身体、くりっとしたような赤い瞳。熟れた林檎を双眸に宿している。こちらをじーっと見つめては、手を広げられるから、思わず首を傾げてしまった。「だっこ!」と三文字を小さな口から紡がれるため、恐る恐るというように触れては、抱き上げる。これでいいのか、と不安になっていれば、きゃいきゃい!としたようなはしゃぎよう。「にーさまより、たかい!」て言葉に、あぁ身長か、と思った。なるほど、私の身長が高いからか、と納得しつつも、少しばかり満たされない感情。幼子にそんな気持ちを抱いてどうする、と自分を叱責しながらも、落ちないようにと支えていた。なぜ、こんなとこに小さな子供がいらっしゃるのか。それに疑問を抱きつつ、スタジオの端っこでコソコソとしていた。
いやだって、居るじゃないですか、そーゆー人が。そう思いつつ、コソコソと端っこの方で「どこから来たんですか。」という問いかけの後に「にーさまのとこ!」て言葉に、頭を抱えそうになる。あまり大きな声を出さぬようにと、しーっとすれば、しーっ!と返される。愛らしさに苦しくなりつつも、それでも剣持さんにバレないようにと、コソコソとしていた。が、小さな影が少し見えては、ちらっと後ろを見る。そこに居たのは不破さんで。え、としつつも私の腕の中に収まっている幼子は、不破さんに手を伸ばしていた。そのまま流れるようにと、不破さんの腕の中に収まる小さな子。まるで、用済みとされた気分。
加賀美「不破さん、知り合いなんですか。」
不破「葛葉の妹ちゃん、Aちゃんどったの〜?またはぐれたん?」
「んーん、おとなりでね、にーさましゅーろくしてるの!」
加賀美「あぁ、お隣のスタジオ、くろなんですもんね。」
不破「ちゃんと言ってきたん?」
「しゅーろくちゅーだったから、しずかにでてきた!」
不破「ありゃ、」
加賀美「あらま。」
「んふふ、にーさまにはないしょ!」
緩いような笑みを浮かべられてしまう。Aちゃん、と呼ばれたその子は葛葉さんの妹らしい。お隣のスタジオからどうやら抜けてきたとのこと。その事について、怒られてしまいそうだな、と思いつつも、その楽しそうな笑顔にどうにも弱くなる。スタジオの端っこでコソコソとしたように、Aちゃんと話していたのなら、影がふたつほど出来上がる。
剣持「何してるんですか?」
甲斐田「おふたりとも〜?」
僕の元に来た小さなお姫様。→←世の中には出会わせてはいけない存在がいる。
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あめ - めっちゃこのお話好きです…!!更新待ってます!! (2月18日 22時) (レス) @page37 id: a85ab24ed5 (このIDを非表示/違反報告)
(^o^)/(プロフ) - うわうわうわ待ってました大好きです。コメント失礼しました。 (2月7日 0時) (レス) id: b873b0040b (このIDを非表示/違反報告)
poco(プロフ) - 初コメ失礼します!いつも楽しく読ませて頂いております!釈迦さんとの絡み最高でした!是非、他にも釈迦さんや釈迦さんのお子様との絡み等々投稿して頂けると泣いて喜びます(笑)応援しています! (2月6日 17時) (レス) id: 7086e430c4 (このIDを非表示/違反報告)
ルナストーン(プロフ) - 初めまして、作品楽しく読ませて頂いております! 本編読む前に説明にある「わかった、オレが令和のドラえもんになる、待ってろ。」が好きすぎてそこから進めないことが多いですそれだけですありがとうございました!! ご自愛くださいー!(?) (10月24日 23時) (レス) id: f44ffe4945 (このIDを非表示/違反報告)
なるみや(プロフ) - とてもすきですかわいい (10月24日 2時) (レス) @page9 id: 7e54cbffac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ことり | 作成日時:2023年10月22日 0時