我儘プリンセスに寵愛を。[ 終 ]

世の中には出会わせてはいけない存在がいる。 ページ43

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世の中には、出会わせてはいけない存在がいる。例えば、ロリコンとか、ロリコンとか、ロリコンとか。いや別に、誰とは言ってないんすけどもね。そんなことを思いつつ、スタジオまでAを連れてきた。スタッフさんたちに甘やかされ、そして叶にも変わらずに甘やかされていた。この前買ってたブランドの服が届いたのか、持ってきていては、ファッションショーとかやりやがって。くそ、なんなんだこいつ、可愛いのが腹立つ。はぁ、と溜息を吐き出しつつも、スタッフさんから収録開始の言葉を掛けられる。Aに｢この椅子に座ってろよ。｣と言えば笑顔で｢はぁい！｣て返事をする。お菓子とジュースを美味しそうに食い飲みしてるけど、オレは不安なのよ。視界に端っこにチラチラと入れてたはずなのに、ふとそいつは姿を消していた。




いやお前、ほんとに、こんのクソガキ……………！！！！！




苛立ちを感じながらも、収録は収録である。くそ、今日隣でろふまおの収録あっから、なお更に外に出すべきではなかった。そんなことを考えつつも、目の前の叶は楽しげな顔をしていた。元々はお前が連れてこい、って言ったから連れてきたんだからな。服のやつがあるから、って。くそ、目の前の天使はどうにも憎たらしい。台本を読みつつも、ちらちらとスタッフさんたちの奥の椅子を見るが、依然として空っぽである。空虚が埋まらぬような伽藍堂、そこに投げ捨てられた感情を、いとも簡単に拾うこともせず、蹴飛ばしていたことだろうか。





叶｢Aちゃん、お隣のスタジオ行ったみたいだよ。｣

葛葉｢うわ、まじか。出会わせたくない人居んじゃん。｣

叶｢もちさんか。｣

葛葉｢甲斐田にも会わせたくねぇけどな。｣

叶｢なんで？｣

葛葉｢普段、魔を相手にしてんだろ、あいつ。術とかな、こっちには有害なんだよ。怪我とかしちまったら、てこと。｣

叶｢あぁ、なるほどね。｣

葛葉｢いや、ほんとにガチで心配すぎる、やべぇ。｣





まぁまだ、クレアさんじゃないからいいかな、とは思うし、ケイナガオじゃないだけマシなんだろうな、とは思う。オレはもう大人だから、ある程度の耐性があるにしたって、アイツはまだ子供だ。それ故に、微力であれど怪我をすることなんて目に見えてる。まぁ、あの自覚ありすぎる可愛さなら、怪我させようとか手を出そうだなんて、思わねぇだろうけどな。それでも、どーせ甘やかされてんだろうし。

愛らしいを具現化した存在。→←ガラスの靴は落とさない。

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