彼女はファム・ファタール。 ページ39
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風楽 side
事務所の先輩から、小さな子供を預かった。いや僕ら、託児所じゃないんですけど、と思いつつも、ヒラヒラとしたドレスのようなワンピースを身に纏うお姫様。ゆるふわっと巻かれている銀色の髪の毛に、まるっとした柘榴を二つ持ち合わせていて。毒なんだろうな、と思った。柘榴の皮に含まれている毒性を含んでいた。目眩がしてしまいそうな程の輝きを感じつつ、ちゅうっと音を立てて、ぶどうジュースを飲み込んだ小さなお姫様。きっと、ワインとか似合いそうな女性になりそうだな、とぼんやりと考えるほどに。事の発端はこうだ、たまたまお昼ご飯を食べに入ってきたのが、葛葉さんとAちゃんで。どうやら、呼び出されてしまったらしい。僕らに信頼を置いてくれているのか、預けて行ったのが先程だ。
風楽「ジュース美味しい?Aちゃん。」
「おいし〜!ふーらは、りょーりしないの?」
風楽「いやできるよ、レシピ見ながらなら作れるよ。お兄さんと同じ扱いだと思われてた?」
「にーさまは、さらわった。」
風楽「うん、知ってる。けどね、料理上手い人間がいるから、僕はいいかなって。あと、この中でお米腐らせてないし、僕。」
「それっていーことなの?」
風楽「お米をね、腐らすって相当だよ、因みに。」
「じゃあ、ふーら、Aちゃんのせんぞくりょーりにんね!」
風楽「………………うん????」
カウンター席の高い椅子に座りながら、プラプラと足を揺らすAちゃん。その隣に座りながら、話しかければ、にんまり!と可愛らしく笑うため、僕は簡単に射止められてしまう。正直な話、この子は誰もが見ても可愛いというだろう。それほどの可愛らしさと、愛嬌を持ち合わせている。きっと、
他の人と結ばれているような赤い糸だって、彼女と出会ってしまえば、ちょんぎられては結ばれてしまう。そんな僕は、どうやらそんな彼女の料理人に指名されてしまったらしい。キッチンから「えぇ!?オレじゃないの!?」というひばの言葉を聞きつつ、アキラからの「店潰れた時の就職先決まったな。」とか言われたんだけど。え、なに?お前らなんなの?僕のことなんだと思ってるわけ?泣きたくなってしまった。
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あめ - めっちゃこのお話好きです…!!更新待ってます!! (2月18日 22時) (レス) @page37 id: a85ab24ed5 (このIDを非表示/違反報告)
(^o^)/(プロフ) - うわうわうわ待ってました大好きです。コメント失礼しました。 (2月7日 0時) (レス) id: b873b0040b (このIDを非表示/違反報告)
poco(プロフ) - 初コメ失礼します!いつも楽しく読ませて頂いております!釈迦さんとの絡み最高でした!是非、他にも釈迦さんや釈迦さんのお子様との絡み等々投稿して頂けると泣いて喜びます(笑)応援しています! (2月6日 17時) (レス) id: 7086e430c4 (このIDを非表示/違反報告)
ルナストーン(プロフ) - 初めまして、作品楽しく読ませて頂いております! 本編読む前に説明にある「わかった、オレが令和のドラえもんになる、待ってろ。」が好きすぎてそこから進めないことが多いですそれだけですありがとうございました!! ご自愛くださいー!(?) (10月24日 23時) (レス) id: f44ffe4945 (このIDを非表示/違反報告)
なるみや(プロフ) - とてもすきですかわいい (10月24日 2時) (レス) @page9 id: 7e54cbffac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ことり | 作成日時:2023年10月22日 0時