我儘プリンセスに寵愛を。[ 終 ]

そんなにーさまだから、許して。 ページ37

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小さなお姫様は、どうやら外の世界に間違って出てしまったらしい。公園にいて、りりむが助けてくれて、膝を怪我してて、りりむも怪我してて、ぎりっと奥歯を強く噛んだ。えっへん、てするように自慢げにするりりむを見て、情けねぇな、て思ってしまった。最近怒るに怒れない、なんて切り抜きとかあっけど、そりゃ重ねることが多すぎる。妹にも、わんさんにも。魔族兄妹という話もされてっけどさ、普通に同期なんだから、そりゃそうだろ。そんなことを考えつつも、それでも怪我をしていい理由にはなんねぇだろうが。オレの考えてることを察したのか｢りりむは嫌だかんね、そういうやり返しとか。｣て言われるし。なんで分かんだよ、とか思った。




手を繋いでの帰り道。夕焼け空に染まりつつある空を眺めながらも、隣でチラチラとこちらを見てくるA。抱き上げては、顔を合わせる。目線を合わせて、真っ赤な瞳には不安を滲ませていた。怒られる、とでも思ってんだろうな。いや怒りてぇけどさ、怒れねぇのよ。さすがに今回は、理由が理由だし。どうせりりむとかにネタにされんのは目に見えてたけど、そんなの気にしてることでもなかった。心配した、本当に心臓が止まるかと思った。前の時も、その前も、ずっと呼吸なんか出来てないほどに。愛おしそうに見つめつつ、はは、て笑ってみせる。





葛葉｢これからは、スタジオまで行くか。｣

｢いーの？｣

葛葉｢迷惑かけなきゃいーよ。流石に、心配すぎる。目、離すのやめっか。｣

｢ごめんなさい、｣

葛葉｢怒ってねぇよ。心配した、ほんとに。オレは、お前が居ないとダメだから。そんなにーさまだから、許して。｣

｢にーさまぁ、｣

葛葉｢怒ってねぇーんだから泣きそうになんなって。今日、甘いもん買って帰るか。な？何食べたい。｣

｢ぷりん。｣

葛葉｢ん、プリンな。良いとこの買って帰るか。｣





さすり、と目尻にたまる涙を拭う。オレは、お前には笑ってて欲しいんだけどな。けど、そうやって何度も怒って、てしちゃうけどさ。ぎゅうって抱きしめながら、帰路を歩いた。途中プリンを買って帰るか、て話しながら、少しお高めのプリンを買って帰った。SNSを開けば、りりむのサブ垢に、セボンスターのネックレスだけの写真が上がっている。リプらんでは、懐かしいよね！みたいな感じのが多くて。




どっかで見たことあんだけどな。どこだったかな、忘れたしいいや、って画面を消した。

とある昼下がりの出会い。→←｢お姉さんだからね。｣

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