我儘プリンセスに寵愛を。[ 終 ]

魔族兄妹トリオ、なんて。 ページ35

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りりむ side





自販機の前でどれがいい〜？て見えるようにとしてあげたいけど、りりむには無理なので、コウくんが抱き上げていた。これ！てボタンを押してるのを見て、ほんとに可愛い子だなぁ、て思っていた。少しだけスタッフさんたちが心配そうにしている素振りの後に、大きな声が響いたと思う。聞きなれたような声に、うげ、てしていれば、遠くにいたはずなのに、すぐそばに居る。それでいて、コウくんの腕の中にいたAちゃんを大事そうに、これ以上ないぐらい大切そうに抱きしめてる葛葉がそこにいるから、りりむとコウくんは少し驚いてて。





葛葉｢心配しただろうが！！！！また、居なくなって！！前も、その前も、オレ、言ったろ！！！｣

｢に、さま、｣

りりむ｢葛葉じゃん、あ、この前噂になってた妹ちゃんだったの！？えーーー、めちゃくちゃ過保護じゃん、どうしたの葛葉〜。｣

葛葉｢え、なに、お前が誘拐したんか。｣

りりむ｢違うよ！りりむが助けたの！！外に出ちゃってたみたいでさ。スタジオ近くの公園に居て、男の子たちにいじめられてるとこを、助けてあげたの！！んふふ、りりむお姉さんだからね、だから、｣

葛葉｢でも怪我したろ。足のやつ、なんか投げられたんか、｣

りりむ｢え？あぁ、石ね石。イマドキの子ってやばくない！？平気でもの投げてくるんだけど！でもほら、Aちゃんには怪我はー……、転んだやつあるけど、それ以外は、｣

葛葉｢ばか、お前が怪我してたって変わんねぇだろ。魔族だろうが、人より頑丈だろうが、怪我したら血だって出んだから。次、そうやって守ろうとしたら怒っからな。｣





あれ、葛葉ってこんなんだったっけ。たしかに最近、怒れるに怒れなくなってきた、みたいな切り抜きとか見たけど、こんな心配するようなやつだったっけ。思わず｢ごめん、｣て謝っちゃったけど。くしゃり、頭を撫でられる。そのあとに、Aちゃんがりりむの前に立って｢りぃむ、おねーさ、おこっちゃだめなの！！｣ていうものだから、それに、思わずくはっ！と笑っちゃった。よしよし、と頭を撫でながら｢やっぱり葛葉、りりむのお兄ちゃんか〜。｣ていうと｢うるせぇ。｣て言われちゃったけど。




大方、Aちゃん効果かな、とか思っちゃって。それにしても、葛葉がお兄ちゃんやってるのホントなんだな、て感じ。りりむたち3人で魔族兄妹トリオってことじゃん？とか言ったら、怒られそーだから言うのやめた。

｢お姉さんだからね。｣→←誘拐じゃない！！保護！！！！

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