我儘プリンセスに寵愛を。[ 終 ]

結局ぐずるんじゃんよ、お前。 ページ4

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よく漫画やアニメや、ドラマとかで、保育園に行きたくないとぐずる子供を見る度に、そんなに嫌か、と思ってしまう、なぜならオレの妹は、行くまでは全然嫌がる素振りはない。着替えて、カバンを持って、帽子を被ったのを見ては、わんさんの散歩をついでにしながら、保育園まで行く。が、その前の約束事は何度も確認する。





葛葉｢兄様とのお約束、その1。｣

｢はねもきばも、つめもださない！｣

葛葉｢じゃー、その2。｣

｢おともだちの、ちはのまない！｣

葛葉｢そのさーん。｣

｢Aちゃんからてはださない！｣

葛葉｢そうだ！手出されてから手を出す。これが、喧嘩の必勝法です。｣

｢おす！！｣

葛葉｢っしーー、行くか、保育園。｣

｢きょうのね、でざーとね、なしなんだよぉ！｣

葛葉｢なし美味いよな、なし。｣





元気よく返事しながら、約束事を述べるA。毎日教えながら、忘れないように！とする。オレたち吸血鬼なんて架空の世界の住民、なのは変わらんし、魔界出身ですってなっても誰も信じないだろう。だから、最低限度人間のふりをするのが一番。没個性だと語るように、溶け込みやすい姿に変わって、わんさんのリードを繋いでは、Aの手を握る。歩くのが好きだという言葉を思い出しながらも、途中で疲れたというのだから、理解なんて出来やしないのだろう。はぁー、とため息を吐き出しながら、保育園までの道のりを歩いていく。横断歩道では｢にーさま、てあげなきゃ、めっなんだよ！｣と言われ、この状況で、手を上げろと？と思った。




お前、兄様の手が何個あると思ってんだ、2個しかねぇーわ、バカヤロウ。




はいはい、と流しながら保育園については、先生に会釈をする。嬉しそうにしながら｢迎えくっから待ってろよ〜？｣と頭を撫で、来た道を戻ろうとすれば、｢やぁぁぁぁだぁぁぁ！！！！｣とクソでかい声が響いた。ぐずり始めたAを見ては、お前もほんとによぉ〜〜〜！！と思ってしまう。お前は泣いてても可愛いってなんだよ、ムカつくな。｢に、ぃさまっ、やだぁ！やだぁ！！にーさまと、いっしょ、さーしゃにっ、さまぁ！！｣て泣いてるのを見下ろした。





葛葉｢迎えくっから、な？｣

｢んぅ、やだぁ……。｣

葛葉｢頑張れねぇーやつにプリンはあげません。｣

｢やだやだぁ！！｣

葛葉｢なら、ちゃんと我慢できるな？｣

｢ﾋｯｸ、うぅ、………は、ぁいっ、｣

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