良い吸血鬼と悪い吸血鬼。 ページ30
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宇佐美 side
宇佐美「世の中にはさ、良い人と悪い人がいるってことは、わかる?」
「わかる!にーさまがね、あのね、おかしあげるよ〜ってこえかけてくる、しらないひとは、わるいひとだって!」
宇佐美「そうねそうね。」
「いいひとはね、りととぉ、みなとと、いぶ、ろーれ!かなえもそう!にーさまのおともだちは、みんないーひと!」
宇佐美「オレも入ってんの?嬉しいんだけど。」
「それがどーしたの、りと。」
宇佐美「それと同じように、良い吸血鬼もいれば悪い吸血鬼もいるってこと。絵本の吸血鬼さんは悪〜い吸血鬼さんで倒されちゃったけど、葛葉さんやAちゃんは良い吸血鬼だから、誰にも倒されてないってことだよ。」
「A、いいきゅーけつき?」
宇佐美「良い吸血鬼。ヒーローであるオレが保証します。」
「ひーろーのおすみつき、ってやつだ!」
宇佐美「そーそー、お墨付きお墨付き。」
子供はあまりにも無垢である。どうしようも無いほどに、何色にでも染まれるような透明色を宿している。だからこそ、もし淀んだような汚い色が、ぽつりと垂れてしまえばその色に染まってしまうほどに。目の前で、得意げに語るようにとするから、それに少し笑いつつも頭を撫でた。オレも入ってんだ、今日会ったばっかだけど。ぼんやりとしたような思考回路を回しつつも、真っ赤なりんごを煌めかせている。語るように、教えるようにと言ってあげる。良い人と悪い人が存在するなら、良い吸血鬼だって存在するでしょう?って。子供騙しに似たようなそれだけど、ホントの話。真っ直ぐな瞳で、良い吸血鬼?て自分のことを言うから、オレが保証するよって。
どこでそんな言葉を覚えてきたのか定かでは無いが、お墨付きに頷いておいた。くふ、て嬉しそうに笑って手にすり寄ってくるもんだから、そりゃ葛葉さんも甘やかすよなぁ、て思うほどに。きりんちゃんも嬉しそうにしていた。紙袋からお菓子を取りだして、袋を開けてから差し出す。「ありがとぉ、りと!」て嬉しそうにするから、んふふって思わず笑っちゃう。「写真撮っていい?」て聞くと笑顔で「Aちゃん、きょうもね、ちょーかわいいから、とっていーよ。」て言うものだから、ぱしゃりと撮る。そりゃこんな可愛かったら過保護になるわな、と思いつつ、「ほんとに可愛いな。」て言うと、えへへと笑っていたのを見つめていた。
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あめ - めっちゃこのお話好きです…!!更新待ってます!! (2月18日 22時) (レス) @page37 id: a85ab24ed5 (このIDを非表示/違反報告)
(^o^)/(プロフ) - うわうわうわ待ってました大好きです。コメント失礼しました。 (2月7日 0時) (レス) id: b873b0040b (このIDを非表示/違反報告)
poco(プロフ) - 初コメ失礼します!いつも楽しく読ませて頂いております!釈迦さんとの絡み最高でした!是非、他にも釈迦さんや釈迦さんのお子様との絡み等々投稿して頂けると泣いて喜びます(笑)応援しています! (2月6日 17時) (レス) id: 7086e430c4 (このIDを非表示/違反報告)
ルナストーン(プロフ) - 初めまして、作品楽しく読ませて頂いております! 本編読む前に説明にある「わかった、オレが令和のドラえもんになる、待ってろ。」が好きすぎてそこから進めないことが多いですそれだけですありがとうございました!! ご自愛くださいー!(?) (10月24日 23時) (レス) id: f44ffe4945 (このIDを非表示/違反報告)
なるみや(プロフ) - とてもすきですかわいい (10月24日 2時) (レス) @page9 id: 7e54cbffac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ことり | 作成日時:2023年10月22日 0時