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はじめまして、お姫様。 ページ29

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宇佐美 side





収録があって出勤して、帰ろうとした廊下で葛葉さんとあって、そしたら妹さんを見てて欲しいと頼まれる。まぁ、ヒーローなのでね、ということで引き受けては、紙袋を渡されては葛葉さんの楽屋へと入った。Aちゃんはキラキラとした瞳を浮かべており、きりんちゃんに手を伸ばしていたから「気になんの?」て聞くと、こくこくって頷く。「気をつけてね。」て言いながら彼女の小さな両手に、きりんちゃんを預ける。じーって見つめた後に、よしよしと撫でており、きりんちゃんも嬉しそーにしているから、いいかぁてしてしまう程。先輩たち皆して首ったけな小さなお姫様は、オレがみたって可愛いという印象が強いものだろう。頭を撫でるだけで転んじゃいそう、て気持ちさえ出てくる。





「りとぉ、」

宇佐美「はいはい、宇佐美ですけども。」

「りとは、ひーろー?」

宇佐美「そうね、ヒーローやらせてもらってます。」

「なら、Aちゃんとなかよくなれない?」

宇佐美「???……………なぜ?」

「えとねぇ、にーさまにはないしょだよ。あのね、このまえようちえんでね、せんせーがよんでくれたえほんでね。きゅーけつきは、ゆーきあるきしさまに、たおされました〜って。」

宇佐美「おんおん、」

「だから、Aちゃんはきゅーけつきだから、………りととも、おともだちとも、なかよくなれないのかな、って。」

宇佐美「なるほどねぇ。」





そんな話をもし葛葉さんが聞いてたら、とんでもなくキレてただろうな、なんて。人の妹を悪者みたいに、的な感じで。ソファーに座って、一生懸命説明するAちゃん。よしよし、と力を弱くしながら頭を撫でた。ふわっ、としたような髪の毛は綿あめのように、柔らかすぎて驚いてしまうほどに。こんな小さな子供なのに、立場とか気にしちゃって、大人びちゃって。やぁね、子供はそんなの気にしないで、騒いで楽しんで笑って泣けばいーのに。にんまり、と笑って見せて膝上に座らせて、真っ直ぐと君の瞳に、オレの瞳を合わせた。




きりんちゃんも不安そうな、心配そうな顔をしていた。まぁそりゃ世の中ですから、善と悪というものは存在しますし。けど、そんなの考えずに、疑うこともせずに、テレビ越しのヒーローを応援してるだけでいーって、オレは思うんだけどね。多分きっと、君が優しすぎる証拠、なんだと思うけど、別にそんなの気にしなくていーよ。

良い吸血鬼と悪い吸血鬼。→←ずっくん。



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あめ - めっちゃこのお話好きです…!!更新待ってます!! (2月18日 22時) (レス) @page37 id: a85ab24ed5 (このIDを非表示/違反報告)
(^o^)/(プロフ) - うわうわうわ待ってました大好きです。コメント失礼しました。 (2月7日 0時) (レス) id: b873b0040b (このIDを非表示/違反報告)
poco(プロフ) - 初コメ失礼します!いつも楽しく読ませて頂いております!釈迦さんとの絡み最高でした!是非、他にも釈迦さんや釈迦さんのお子様との絡み等々投稿して頂けると泣いて喜びます(笑)応援しています! (2月6日 17時) (レス) id: 7086e430c4 (このIDを非表示/違反報告)
ルナストーン(プロフ) - 初めまして、作品楽しく読ませて頂いております! 本編読む前に説明にある「わかった、オレが令和のドラえもんになる、待ってろ。」が好きすぎてそこから進めないことが多いですそれだけですありがとうございました!! ご自愛くださいー!(?) (10月24日 23時) (レス) id: f44ffe4945 (このIDを非表示/違反報告)
なるみや(プロフ) - とてもすきですかわいい (10月24日 2時) (レス) @page9 id: 7e54cbffac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ことり | 作成日時:2023年10月22日 0時

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