ずっくん。 ページ28
.
休日の昼間、収録のために出勤していた。さすがに1人で待たせるのも嫌なために連れてきた訳だが、この前見たく部屋から出た時のことを考えると、すげぇ怖い。だからといってスタジオに連れていくのはさすがにアレだろーな、て思って。ぼんやりと考えながら、手を繋いだまま嬉しそうにするAを見て頭を抱える。お前がもうちょい大人しくて、聞き分けのいいやつなら、オレもこんな悩んでねぇのよ。そう考えつつ、どうすっかなぁと楽屋の前で悩ませる。そうすると、でかいような声が聞こえてくるから、視線をそっちにやれば。
葛葉「宇佐美じゃん、」
宇佐美「ずっくん、………あ、葛葉さん!お疲れ様です〜、」
葛葉「お前ほんとにやめろ、ふざけんな。」
「ずっくん!!」
葛葉「ほらみろ真似しただろうが、この年頃は真似したがりなんだよ、くっっそ。」
宇佐美「あ、噂の妹さん?初めまして〜、ヒーロー兼ジムトレーナーやってます、宇佐美リトです。こっちは相棒のきりんちゃん、」
「りとぉ?きりんちゃん!」
葛葉「てか、この後なにか予定でもあんの?宇佐美。」
宇佐美「予定とかは特には。」
葛葉「あ、まじ?」
夕焼け空みたいな瞳がオレを捉える。わざとらしいような、ずっくん呼びに、おいってしていれば、Aが真似したのを見て、ふざけるなと思うしか無かった。それに頭を抱えつつ、聞いてみる。なにか予定でもあるのか、と。そうすれば特には、と平気で答えるものだから、少しだけ見ててもらおうかなんて。前のときに、部屋から出たっぽかったし、そのあとに迷子になられたら困るのは間違いなくオレだ。そもそも、迷子になった時にどれだけ心配したのか、こいつはそもそも分かってない。にこにこ、としたようなあどけない笑みを浮かべられるものだから、オレはそれに白旗を振るしかないほど。こんなやつに甘くなっちまったオレの負け、ってか?否定はしないでおく。
「こいつのこと見といて欲しいんだけど、無理そう?」て問いかければ「全然良いですよ、」てすぐに返事される。人がよすぎるだろ、て思っちまうほどに、こいつの優しさにも疑いを持ってしまうのだ。ヒーローだからか、なんて嫌味ったらしく言おうとしたけど、やめた。かわいー後輩なんでね、少しは優しくしないと。怒られるのはオレだし、て気持ちを抱きつつ紙袋を渡す。「んじゃ、オレ収録だから。なんかあったら連絡して、」てその場を後にするだけだった。
2156人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あめ - めっちゃこのお話好きです…!!更新待ってます!! (2月18日 22時) (レス) @page37 id: a85ab24ed5 (このIDを非表示/違反報告)
(^o^)/(プロフ) - うわうわうわ待ってました大好きです。コメント失礼しました。 (2月7日 0時) (レス) id: b873b0040b (このIDを非表示/違反報告)
poco(プロフ) - 初コメ失礼します!いつも楽しく読ませて頂いております!釈迦さんとの絡み最高でした!是非、他にも釈迦さんや釈迦さんのお子様との絡み等々投稿して頂けると泣いて喜びます(笑)応援しています! (2月6日 17時) (レス) id: 7086e430c4 (このIDを非表示/違反報告)
ルナストーン(プロフ) - 初めまして、作品楽しく読ませて頂いております! 本編読む前に説明にある「わかった、オレが令和のドラえもんになる、待ってろ。」が好きすぎてそこから進めないことが多いですそれだけですありがとうございました!! ご自愛くださいー!(?) (10月24日 23時) (レス) id: f44ffe4945 (このIDを非表示/違反報告)
なるみや(プロフ) - とてもすきですかわいい (10月24日 2時) (レス) @page9 id: 7e54cbffac (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ことり | 作成日時:2023年10月22日 0時