我儘プリンセスに寵愛を。[ 終 ]

迷子のお知らせ。 ページ22

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もし、間違いがあるとするなら、ほんの少しだけ目を離したことだろうか。近くの甘いとこ、と4人で調べつつも、小さな子供の好奇心を侮っていたのかもしれない。手を繋いでいたと思っていたAの小さな手が、どこにもない。するり、まるで箱庭から抜け出してしまったようにと。冷や汗が、背を伝う。スマホから視線を離しては｢な、Aどこ行った？あいつ、｣て焦ったような声を出しながら、視線であちこちを見ても、姿が見えない。銀色の綺麗な髪も、真っ赤な瞳も。あの子の全部がどこにもない。吸い込む、匂いを。あの子がどこにいるのか、集中して。それでも余分すぎるような匂いばかりで、苛立ちさえも募る。これなら、上から探した方が早いとさえ思うが、ローレンに腕を掴まれる。｢それは、不味いんじゃない？｣て焦ったようにと言われるから。




オレ、いつだってAのことになると、なんも考えらんねぇよ、だって。




ばっ、と腕を振り払いながらも｢オレの落ち度だから、｣て言うと｢目離しちゃった俺らにも責任はあるし。なんも持たせとらんの？｣ていうふわっちの問いかけに、こくりっと頷く。こんなことなら、連絡手段が取れるものを持たせるべきだった。そうやって後悔ばかり。マジで、ダサすぎだろ。そう思いつつも、何処にいるのかほんとに分かんねぇ。ていうかアイツ、今ブランド品で固めてっから、誘拐の可能性だってある。あれこれ考えてもやっぱ仕方ねぇんじゃないのか？





葛葉｢やっぱオレ上から、｣

イブラヒム｢落ち着けって。Aちゃんはまだ小さいから、そこまで遠くまで行けないだろうし。｣

葛葉｢でもっ、｣

不破｢焦らんでも、大丈夫やって。｣

葛葉｢だけど！！｣

ローレン｢くっさん。Aちゃんなら大丈夫だって。絶対に。ていうか、くっさんも焦るんだなと今思った。｣

葛葉｢焦るに決まってんだろ。あいつは、Aはまじで大事で。我儘で、ばかみてぇーにあれこれ強請ってきて、くそ生意気なガキだけど。…………オレの、マジで可愛い妹なんだよ。あーくそっ、｣





なんだか、弱くなる。あのちっさいバカに、ずっと振り回されて、弱くなる。弱点なんか作るもんでもねぇーのに、オレはあいつのことになると、ダメだ。苛立ちさえも覚える。重たいだろうがなんだろうか、そんなの関係ない。オレは、あいつが望むと言うなら、神だって殺してやるほどだ。まじで、そんぐれーだよ。

だるまとおに。→←完全フル装備でオレの懐はさみぃよ。

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