我儘プリンセスに寵愛を。[ 終 ]

最後の一口。 ページ3

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｢にーさま、 はいしんおわり〜？｣

葛葉｢ん、終わり終わり。｣

｢んへ、あのね、にーさま！ぷりん、ひとくちのこしといたの！にーさまにね、たべてほしくて。もらっちゃったから、｣

葛葉｢残しといたん？いーのに、別に。｣

｢やぁーだ、にーさまのだもん。はい、あーんっ！｣

葛葉｢あー、まじ？ん、美味いなプリン。さんきゅ、｣

｢んへへ、んね、おいしいねぇ、にーさま！｣





そうやって、嬉しそうに笑うAをオレは見下ろしていた。




ついこの前、親と兄貴たちに｢出かけるし、暫く戻る予定もないからお願いね！｣というように押し付けられた。ピョコピョコと小さな羽を出したまま、笑ったままのそいつ。羽先をつついたのなら、びくっと反応させては、怒った顔をするが、何一つ怖くはない。むしろ可愛いまんま、と思いながら、指先でくふくふと頬で遊んだのなら｢にーさま、やだぁ！｣て離れていけば、ソファーから落っこちそうになる小さいやつ。危ねぇーだろ、なんて思いながら、片手でお腹に腕を回し、落ちるのを阻止して。配信も終わったし、寝るかぁ〜と考えていても、鳴り響いたのは着信音。画面の切り替わりの速さにえぐ、と思いながらSNSを開けば、同期が疑いのようなことばかり零す。




全部マジだわ、うるせぇー。そうやって吐き捨てた呟きを零しながら、サブスクの画面を指さしながら｢にーさま、さざえさん、みよ！｣と元気よく言う妹。｢お前、明日の保育園の準備終わってんの？｣なんて問いかけたのなら、ふふん！と得意げにしながら｢Aちゃんはてんさいちゃんなので、おわってます！｣と言っていた。その割には、リビングの端っこにぐっちゃぐちゃに置かれていた保育園のカバン達。くいっ、と指さしたのなら、驚いた顔をした後にうるっと涙を滲ませる。あー、わんさんにやられたんかな、と思いながらくしゃくしゃと頭を撫でた。





葛葉｢別に疑ってねぇーよ、｣

｢でも、したの！ちゃんと、ちゃんとじゅんび、したのっ！｣

葛葉｢わかったって。｣

｢A、うそつかなっ、｣

葛葉｢分かってるって。ちゃんと準備したんだもんな？｣

｢ぅ、んっ。｣

葛葉｢じゃあ次は何するべきかわかんだろ？｣

｢ちゃんとおいておく？｣

葛葉｢そ、次から寝る部屋に置いておこうな。そんなら、わんさんもぐちゃぐちゃにせんだろーし。｣

｢はぁい、にーさま。｣





ほんとに、コロコロ表情変わっておもしれーやつ。

結局ぐずるんじゃんよ、お前。→←それぞれの反応。

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