我儘プリンセスに寵愛を。[ 終 ]

きっと後悔するって僕、思ったんだよね。 ページ14

.







叶 side






叶｢そう言えばねぇ、この前ねぇ、葛葉の妹ちゃんにあったんだよね。｣




＞かなかな会ったの？
＞可愛かった？
＞デレデレ葛葉を見たってことか
＞甘ちょろい葛葉





叶｢めちゃくちゃ可愛かった。ていうか、葛葉から聞いた話だと、ローレンたちも甘やかしてたっぽい。めちゃくちゃお菓子買ってもらってたらしいんだよね。僕？僕はぁ、魔法のカードでお洋服買ってあげちゃった♡｣




＞相方の妹に貢いでるのおもろすぎだろ
＞当たり前のようにと
＞笑顔で言うことじゃないのよ
＞魔法のカードなのおもろい
＞キレてる葛葉が見えた





叶｢めっちゃ怒ってたよ葛葉。オレが買う予定だったのに〜！て、早い者勝ちなんだよなぁ。｣




＞相方の妹とは言え、後悔しないの？高い買い物だし。着なくなっちゃうのに。





後悔しないの、って問いかけに、買わないと後悔すると本能が言っていたのを思い出す。小さなお手手に、小さな体。まるっとした赤い瞳に、綺麗な髪の毛。一瞬、チャームにでも掛かってしまったのかと思った。まぁ僕はかからないはずなんだけどさ。天使だし、と思いつつも、真っ直ぐな綺麗すぎる赤色に見つめられてしまえば、僕の負け、だった。買わないと、後悔しちゃうって思ったから。ゲーム画面を見ながら操作をしつつ、あれやこれやと考える。別に、誰にでも買うわけじゃない。葛葉の妹だからって買ったわけじゃないと思う。




理由は、そう、理由。





叶｢僕の直感がさぁ、買わないと、後悔しちゃうって言うんだもん。それに、可愛かったし。可愛い子には貢ぐべきでしょ？｣




＞貢ぐとか聞きたくなかったぞ
＞わかる、おれも叶に貢いでる
＞俺と同じ気持ちってことか、叶
＞まぁそれはそう
＞納得した



＞私からのお金を知らんやつに使うのやめてよ





叶｢そうそう、推しに貢ぐのとおなじ感じ〜。ちょっと飲み物取ってくるわ、待ってて、｣






マウスを動かして、カチカチっと音をさせる。
コメントにカーソルを合わせて、非表示にした。ごめんね、という気持ちもあるけど、それよりも怒りが強かったのかも。僕のポケットマネーなんだけど、スパチャ代は別のカードなのにね。憶測で語る人間ってほんとにバカらし。そうやって思いながら脳を巡るような感覚。

｢かなえ！｣






僕は存外、あの子にゾッコンなのかもしれない。そんなの、分からないけどさ。

＞てか、俺らがファミリーならさ→←｢これをね？こうするじゃろ？あらま！｣

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す