素敵な一日を。 ページ39
.
｢へぇ、ジミンさん、
すっごくかっこいいですね、｣
歩きながら、スマホで、僕たちの、
曲を見ながら、聞きながらで。
なんだか、恥ずかしい。
JM『あーー、ぼく、
かっこいい、ですか？』
｢…………ふふっ、
今のジミンさんは、お餅みたいに可愛いです。｣
JM『かっこいいが、いいです。』
｢可愛いです。｣
人の話を聞かないなぁ、
困った。
駅までの道のりは、長くて、でも短くて。
それなのに、全然駅が見えてこない。
片手は手を繋いだまま、
ぶらぶらと揺らしながら。
｢あっ、ジミンさんお腹出した。
セクシーですね、かっこいいですよ？、｣
JM｢や、やぁ！！！
だめだよ、それは、見ちゃダメ！
恥ずかしいんだからね、踊って出すとき！｣
｢わ、わ、声大きいです、
バレますよ？｣
JM｢韓国語で話してる時点で、
バレるとは思ってない。｣
｢今のご時世のこと考えて言ってます？｣
なんて、ちゃんとみたいな、
目を細められて、睨まれる。
だから、目を逸らした。
でも、手は繋いだままで。
メガネも帽子も、つけたまま、
彼女の隣を歩いてた。
なんというか、普通で。
普通じゃないけど、
普通みたいで。
あぁ、アイドルしてなかったのなら、
こうやって、駅までの送り迎えとか、
手を繋いで歩いて帰るとか、
あったのかな。
選んだ道をどうこうはないけど、
それでもたまに、
望むし、夢を見る。
それぐらい、構わないだろうし。
JM『Aさん。』
『なんですか。』
JM『んふふっ、素敵な一日を、
どうかすごしてください。』
｢ジミンさんのおかげで、
素敵な一日になりましたけど？｣
いたずらっ子みたいに笑って、
手を離される。
やっぱり、かなり、名残惜しくて。
手を伸ばしても、
Aさんは、
改札の向こう側に行ってしまった。
だから、手を伸ばしてももうダメで。
｢お手紙、また書きます。
日本にいる時は、メールでいいですよ。
連絡、待ってます。｣
そう言って、わらったあとに、
改札の向こう側、
階段を降りていくのが見えて。
会えなくなるのが、寂しくて。
なんだか、変な感じ。
やだな。やだ、やだよ。
僕、知りたくなんてないから。
だから、今も知らないフリで、
分からないふりで。
子供のままでいようかな。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1589人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
miz(プロフ) - もう、めちゃくちゃ良かったです！楽しみながら読むことが出来ました！！ (2022年2月28日 1時) (
レス) @page50 id: 6ed4b49dda (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - ジミンちゃんとの文通ときめきました/// ステキなお話ありがとうございます! (2022年1月3日 3時) (レス) @page50 id: 8832d32b96 (このIDを非表示/違反報告)
MA SAKA(プロフ) - お話素敵すぎます！続きを楽しみにしてます！ (2021年11月29日 10時) (レス) @page41 id: d6bf311559 (このIDを非表示/違反報告)
Dtpnjtwtvmt(プロフ) - もう一言ですき！！！！！ (2021年10月8日 14時) (レス) @page39 id: e5b6025cac (このIDを非表示/違反報告)
hkh(プロフ) - 楽しみに読ませていただいています。言葉の雰囲気がとても好きで、何度も読み返しています！これからもご無理のないペースで、素敵な言葉を覗かせていただけたら嬉しいです。 (2021年5月9日 19時) (レス) id: f9da484c95 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ことり
| 作成日時：2021年4月9日 11時
