拝啓、愛しの日本人。[ 終 ]

全部知ってました。 ページ37

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A side




知らない訳じゃない、
わからないわけじゃない。




でも、知らないフリをした。


なんでって、
きっとそれなりの事情ってのがあって。







だから私は、知らないフリをした。



それで、会ったのなら。
あなたはやっぱり、そうだ。






でも、どうでもよかった。


だってあなたは、あなただもの。






JM｢知ってたって、なにで、え。｣



戸惑って、わからなそうで、
でも、なんだろ。



嬉しそうに見えたのは、秘密。






それに少し、笑ったのなら、
拗ねた顔をされたけど。

まぁ、マスクで見えなくて、あれ。






｢だって、パクさん。
手紙の内容に、番組のお話してましたもん。


今日の収録だとか、
今日踊った時ちょっと間違えた、とか。
会社員ではないんだろうなぁ、って。




だから、あぁ、
周りの言う、BTSのパクさんなんだなぁって。



誰にも教えてませんからね？｣





ぽかーん、とした顔をしては、
笑い始めていた。


だから、私。






私は、そんなあなたが、
アイドルだろうと、その他だろうと。

きっと。






JM『これからも、文通してくれますか。』



『当たり前です、文通お友達ですから。』

JM『っ、あと、あと僕。』






もう秋になって、
私はもう寒いと思う。


でも、寒いはずなのに。




なんでか、暖かくて。


あなたに触れられたとこが熱い。
ダメですよ、パクさん。





今のご時世、ソーシャルディスタンスです。


だから、







ダメですよ、パクさん。




JM｢ジミンって、呼んでください。
パクさんは、嫌です。
日本で言う、山田さんと同じ、なので。｣




例え方が、確かにそうで、
だから思わず、笑ってしまった。



そうしたら、パクさん……………、

あーいや、ジミンさんは、
少し頬を染めて、





目を逸らしていた。




｢わかりました、ジミンさんって呼びますね。｣




あなたは、世界のアイドルなわけだけど、
今のあなたは、なんだろう。



どこにでも居る、人って感じで。






JM｢はい、ジミンです。｣



って、微笑むあなたがいる。







痛くなる胸の奥、
少し早くなる鼓動、


きゅうっと締め付けられる心に、






私は全部、
知らないフリをして、



わからないことにした。







全部知ってます、
あなたがアイドルだってこと、



私、







わかってましたよ。

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