拝啓、愛しの日本人。[ 終 ]

韓国人、そうじゃない。 ページ16

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A side



『ねぇ、A。
荷物届いたんだけど。』


｢なっちゃん、ありがとう〜！
誰宛から？｣




仕事から帰ったのなら、
シェアハウスしてる、


なっちゃんこと、捺に報告された。





今日も、JIMINだの、なんだの、言われたけど。


まぁ、そんなこと気にしてない。
パクさんが、違うって言ってるんだから。





捺｢パク・ジミナさん宛。｣


｢韓国のコスメとかかな。｣




ダンボールと共に置かれていた、
手紙の封を見ても、彼？彼女？からだった。


そういや、性別知らないや。




手紙を読む前に、
ダンボールを開けたのなら、あの、待って。



まってくれ、パクさん。






なっちゃん、笑わないで。
キッ、と睨んでも、まだ笑っていたけど。


目の前のダンボールの中には、






もう何度も聞いたことのあるブランドのロゴ。


なにこれ、なに、これ。
思考が回らないけれど、







あぁ、から回ってるなぁ。



んははっ、て笑ったんだ。
こんなコロナの世界の中で、







久しぶりに、笑ったかも。


最近、ほら、笑ったら唾液が飛ぶってやつで。
喋ることも、なくなって。




そんな世界が寂しかったから、


文通を始めたのだけれど。






そうだね、そうだよ、
そう、なのかなぁ。



手紙を読んだのなら。





[ 日用品とか、どんなのとかわからなくて。
沢山お酒を貰ったのに、お返しちゃんと出来ずに、
申し訳ないです。
コスメだとかも入ってますが、
洋服でみえないかもしれませんけど、
奥の方に入ってます！]





一生懸命に書かれている日本語を読んで、
一生懸命書いた手紙を読んで。



頬が緩むのがわかる。






捺｢パクさん、金持ちかよ。｣


｢手紙で聞いてみようかな、
きっとエリート会社員なんだよ。｣




捺｢自営業とか？こわ、｣





早く書きたかった、
早く文字にしたかった。


荷物を全部置いてから、




自室から手紙とペンを取って、







少し模様の入った便箋に、
覚えた韓国語を書き出していくんだ。


最近、ちゃんと頑張ってる。





わからないことだらけで、





だからこそ、
世界って、面白いんだ。



あのね、パクさん。






そうじゃないけど、そうだよ。








今度は、何を贈ろうか。
今度は、何を送ってくれるのか。




わからないけど、でも。








日本のこと、
もっと好きになってくれますか、パクさん。

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