case 19 / 哀色に染まった恋心。 ページ8
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ローレン side
信じたいと思うことは馬鹿だろうか。
「馬鹿でしょ。」
ローレン「うっわ、」
「なんなの今日は。はーっ、全員して、この気持ちはまだ本物とか、きっしょ。」
ローレン「お前なぁ、」
「一度殺したはずの恋心が、どうしてまだ生きていると思うのかわからない。死んだのなら生き返ることもないでしょ。君たちが抱いてるそれは、彼女への申し訳なさな罪悪感からの、間違いだよ。」
そんなの、俺たちが1番わかってんだよ。
って、言える訳もなく、きっとそうだと言うように、認めようとしてしまう。彼女に先程泣きついてしまったけれど、それでも結局心の隅っこに残っている、想いの残骸はまだ存在していた。甘い声で、見上げながら、ローくんって呼ばれるとダメで。俺の煙草の匂いがしたのなら「煙草は好きじゃないけど、これだけは好きかも。」とか言うから、だから俺はどうしようもなくなる。期待させないで、って言いたくなりながらも、言えもしない。ぐっ、と喉元に留めた言葉の羅列は、どこにも吐き出せないのだろう。授業に出ろよ、と言いたげな顔をしながらこちらを見下ろすAちゃん。それを見つめながら、ははっと困ったように笑ったのなら、吐き出されたのはため息だった。まるでもう無駄です、お手上げです!と言いたげのような顔をしながら、変わることもないような言葉を並べられる。わかってる、わかってるんだって、俺たちだって。また利用されるだけだって、また傷つくだけだって。でも、それでも塗り替えることの出来ないこの感情を、何処にやればいいのかなんて、わかるわけがないだろう。
「別にそれでいいなら、いいんじゃない?私には関係ないし。ただ言わせて貰うけど、あれだけのことしといて、授業に出ませんとかほざいたら、あんた達のこと許さないから。」
ローレン「出るよ、1時間だけとか。」
「おいふざけるな、フルで出ろ。」
ローレン「んー、無理。」
「お前らが授業出るから、私の席お前らの近くに移動させられたんだぞ!!叶くんたちと近かったのに!!!折角隣に、模範解答が居たのに!!」
ローレン「叶さんのこと模範解答って言うのやめな?」
「無理。」
変わらないから、困る。変わらずにいるから、困る。態度を変えるわけでも、甘やかすわけでも、優しい言葉もないけれど。それでも、俺はさ、君に救われてるとこはあるんだよ。だから、この想いもすくい上げて、どこかへ捨ててきてよ、ねぇ。
ほんとに、かわいそーだね、お前って。→←君も大概、学ばない男だね。
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あさき(プロフ) - 完結ほんとにおめでとうございます!!!!他の作品もぜひぜひ!応援させていただきます!! (11月18日 19時) (レス) @page50 id: 2e9509526a (このIDを非表示/違反報告)
ぴ(プロフ) - 完結おめでとうございます。恋愛の描写もすごく面白かったけれど、それ以上に主人公の考え方が興味深くて読んでてとても楽しかったです。ことりさんの作品は恋愛だけじゃないところが好きです。とても面白い作品をありがとうございました。 (11月17日 1時) (レス) @page50 id: bab803b5e4 (このIDを非表示/違反報告)
ty. - 完結おめでとうございます!毎日毎日更新楽しみにしてました、次回作待ってます!! (11月16日 23時) (レス) @page50 id: 6fcf6de5f3 (このIDを非表示/違反報告)
さつき(プロフ) - 完結おめでとうございます!通知が来る度ウキウキして、読んだらいつも幸せでした。ことりさんの作品本当に大好きです。また素敵な作品をお願いします!影ながら応援させていただきます! (11月16日 23時) (レス) @page50 id: 039532f02f (このIDを非表示/違反報告)
の〜さん(旧もこ)(プロフ) - コメント失礼します。私2j3jの人達全員推しなのと逆ハー大好物なので嬉しいです!出来たら全員に恋愛的に愛されたいです。無理ならすみません。更新頑張ってください。楽しみにしてます。 (10月30日 18時) (レス) @page27 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ことり | 作成日時:2023年9月20日 22時