Hey Siri、問題児を改心させる方法を教えて。2 [ 終 ]

エンドロールのその先で。 ページ49

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ぱちぱちぱち、と拍手をしていた。
スタッフロールが流れており、主演は槙野A。それ以外のキャストたちの名前が流れていくのを、見つめていた。カラカラと回る音を聞いて、人々は各々席を立ち、それから出ていく。中には立たずにいて、明るくなるのを待つ人たちもいる。私はたった一人で、拍手をする。最高だったという意味で、人々は拍手するのだろうけど、これはとんでもん無い話を見たと私は言いたい。





｢とんだ、クソ映画じゃんかよ。金の無駄だったな。｣





これはきっと人にとっての理想であり、妄想の果てだろうか。はは、と乾いた笑いを浮かべながら、食べ残されているポップコーンを見つめる。退屈すぎて欠伸をこぼしていたことだろう。本当に詰まらなかった。歌劇にもなり得ず、きっと全米が泣いた、なんていうフレーズさえも使えないほどのクソ映画だ。1人だったなら、私は、ジュースを投げつけていたかもしれない。そんなことしたらうるさいのは世界なのだけど。はぁー、とため息を吐き出したのなら、スタッフロールが終わる。たまにある数秒間の、その後や少しのお話。果たして今回はどんなものになるのかな、と画面を見つめていたのは私だった。




そこに映されたのは、私である。これを見ている、私だ。きっと感情とヤラを乗せたまま読みたくても、見たくても、面倒な私なもので。きっと現実的では無いし、夢なんて見れたものでもない。けらり、笑ってやったのさ。画面を見下ろし、きっとそうであることを、願っているように。自分の足を使わずに待っていたお姫様は、やはり苦労知らずだと思うこの考えさえも、私が持ちえた全てだろうか。ね、こんな面倒な私なんかを主人公にしたあなたのせいだと、私は言う。





｢この先は無いんだよね。｣

｢終わりが来たその後は、もう何も無いんだよ。｣

｢私が誰と結ばれるのかも。｣

｢3年生のお話も存在しない。｣

｢ここで終幕、終焉！！｣

｢この続きは存在しません！！！｣

｢この先に続きがあるかどうかは、あなた次第。｣

｢なんちゃって。｣





明るくなる世界を見た。
ポップコーンとジュースを持って、シアターから出る。スマホの電源をつけたのなら、葛葉くんから連絡が来てて。｢この後暇？｣というのが、90分前だったものだから、今更はなぁと思った。｢映画見てた、｣と返したのならすぐにつく既読。カフェ、行こ。

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