Hey Siri、問題児を改心させる方法を教えて。2 [ 終 ]

ねがう。 ページ45

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何かを願うことも、祈ることも、特段好きなんかじゃない。
間違えないで欲しいのは、そういった行為を嫌っている訳では無い。ただ、それをするということは、自分の力を信じずに誰かを頼っている、という証明に思えてしまい、不思議に思う。人は、自分で叶える力があるのに、待つことをしている。願って、祈って、どうかと縋るような姿を見る度に、そうすれば与えてくれるのだろうか、と思ってしまう。何度でも言うが、否定している訳でもない。いいと思う、全然。運も味方であり、人を選ぶのだから。二学期の期末テスト、ここで来てくれないのなら、三学期のテストに全てを委ねるだけだろう。ぎぃっ、と椅子を軋ませては、時計を見つめた。朝のSHRが始まる5分前、名前順へと並んだ席順。空白の4席を見つめては、机の上にシャーペンと消しゴムを置いて、ロッカーに筆箱にしまいこんだ時に、がらりと扉が開く。




クラスメイトの視線は全てそちらへ行く。喧騒が、静まる。呼吸の音さえも聞こえないほどの静寂がそこに広がっていた。立ち上がり、見上げては、ゆるりと笑ってみせる。





｢おはよう、葛葉くん。ローレンくん、不破くん、イブラヒムくん。テスト勉強、してきた？｣

葛葉｢や、昨日ゲームしてたわ。｣

｢ゴミで草。｣

ローレン｢三学期ので挽回すっから、ほら。｣

不破｢提出物もやっとらんけどね。｣

イブラヒム｢え、ごめんだけど、俺はちゃんとやってるから。仲間みたいな雰囲気、辞めてくれん？｣

｢やば。因みに、叶くんたちに真面目にやれ、と怒られました。｣

葛葉｢オレらいつでも本気なんだけどな。｣

｢ほんとだよ。｣

叶｢自分たちの怠慢が招いた結果でしょ。｣





その言葉が痛すぎては、4人で｢あいたた。｣としていた。ほんとに、それは、辛いのよ。そう思いつつ、予鈴が鳴り響いては、席へと座るように言われる。4人は机の中にノートとかを入れっぱなのか、ダラダラと今更整理し始めていた。案外、どうにでもなってるし、割と早いじゃん？と言われるかもだが、半年以上は掛かっています。このあとに、文化祭と修学旅行あるけど、そもそも行かせてもらえるのかな、私たち。がららっ、と椅子を引いては、席へと座った。




まじ、今回赤点取ったら叶くんにガチ本気で怒られそうなんだよな。30点以上を目安に頑張らねば。どうか、神さま仏さま、閻魔様。赤点回避出来ますように。人は矛盾ばかり抱える生き物でもあるのだよ、なんてね。

case 25 ／ あなたの透明色。→←人間は、一人でだって生きていけるもの。

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