人間は、一人でだって生きていけるもの。 ページ44
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別に赤ん坊では生きてはいけないけど、意志を宿した時から、人は選択が出来るのだから、1人でも生きていけるのに、なぜ生きていけないと思うのだろうか。まぁ別にそんなことを話したい訳では無いが、存外なんとかなる世界なんだな、と思った。
「朝早いんだね、ローレンくん。」
ローレン「……………お前こそ、早いのな。」
「君らのこと起こしに行くので、早起きになっちゃったんだよ。暇だね、朝早いと。」
ローレン「俺らのお陰ってことか。」
「誰もそんなこと言ってないよ。」
ローレン「一時間目なんだっけ。てか、今日何あんの、授業。」
「受けるの。」
ローレン「まぁ、………たまには、悪くないかなって。」
「そ、さぁ?知らん。ロッカーに全部入れてるから、なんでもあるし、私。」
ローレン「俺もだわ。」
深紅が、揺らいだ。
くぁ、っと欠伸を零しながら、誰もいない冬になりつつある朝の教室。グラウンドからする掛け声や、吹奏楽部の音楽が流れてくる。それに眠たさを覚えつつ、彼らを起こしに行く時の癖で、早起きをしてしまった。2度寝したかったけど、それしたら叶くんとお母さんからのお怒りがやってくることが分かっていたから。まぁいいか、としつつ、学校に来てスマホをポチポチと触る。ヒーターもつけちゃダメだし、寒いなぁてしつつ、ホッカイロを握っていた。がらり、扉の開く音が響く。その先にいたのは、赤い金魚だ。ゆらゆらと尾びれを揺らしながら、餌に見向きもせずにいたはずの、金魚。
目を細めて、見つめては、そんな会話ばかり。どさっ、と机に重たいであろう鞄を乗っけてるのを見た。取り出された教科書類は恐らく全部の科目だろう。ロッカーにてきとーに閉まってるのを横目に見つつも、にんまりと私は笑っていた。これで全部が終わったんだろうな、なんて。終わったとて、私の平穏で普通な生活が戻ってくる訳でもない。なぜなら、もう4人が関わってくるから。滲ませていた好意を感じ取りつつも、音を響かせながら椅子をこちらへと寄せるローレンくん。ホッカイロで頑張ってあっためてるのを見て、なにを考えたのか、セーターを脱いで私に着させるローレンくん。
ローレン「見てて寒い。」
「はは、女子高生なので。」
ローレン「ちゃんとあっためな?これガチ。寒さ甘く見るなって。」
「や、ローレンくんの方が寒そうに見える。」
ローレン「普通に寒いですけども。」
「なんなんだよ。」
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あさき(プロフ) - 完結ほんとにおめでとうございます!!!!他の作品もぜひぜひ!応援させていただきます!! (11月18日 19時) (レス) @page50 id: 2e9509526a (このIDを非表示/違反報告)
ぴ(プロフ) - 完結おめでとうございます。恋愛の描写もすごく面白かったけれど、それ以上に主人公の考え方が興味深くて読んでてとても楽しかったです。ことりさんの作品は恋愛だけじゃないところが好きです。とても面白い作品をありがとうございました。 (11月17日 1時) (レス) @page50 id: bab803b5e4 (このIDを非表示/違反報告)
ty. - 完結おめでとうございます!毎日毎日更新楽しみにしてました、次回作待ってます!! (11月16日 23時) (レス) @page50 id: 6fcf6de5f3 (このIDを非表示/違反報告)
さつき(プロフ) - 完結おめでとうございます!通知が来る度ウキウキして、読んだらいつも幸せでした。ことりさんの作品本当に大好きです。また素敵な作品をお願いします!影ながら応援させていただきます! (11月16日 23時) (レス) @page50 id: 039532f02f (このIDを非表示/違反報告)
の〜さん(旧もこ)(プロフ) - コメント失礼します。私2j3jの人達全員推しなのと逆ハー大好物なので嬉しいです!出来たら全員に恋愛的に愛されたいです。無理ならすみません。更新頑張ってください。楽しみにしてます。 (10月30日 18時) (レス) @page27 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ことり | 作成日時:2023年9月20日 22時