Hey Siri、問題児を改心させる方法を教えて。2 [ 終 ]

case 24 ／ 塗れる赤色。 ページ43

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ローレン side





気にかけなきゃいいのに。
手を伸ばさなきゃいいのに。




わざわざ、言い訳の理由のためになろうとしたり、こんな俺の事を見捨てることもせずに話しかけてくるから、わかりやすいなぁと思った。自分このバカみたいな、子供じみた行動の全部も、お前に見て欲しかったんだろうな、なんてやつ。顔をのぞかせて、帰るつもりだった。ちらり、と顔を出したのならばそこにお前は居なくて。なんだ、サボりかと思っていれば後ろから声が響く。｢ローレン？｣て名前を呼ばれるから、どきりと心臓が跳ねた。ジャージを着てるけど、名前はクローネだから、アクシアのか、て思う。まぁもう寒い時期だし、と考えながら見下ろしていた。





｢で、手伝うの？｣

ローレン｢や、見に来ただけ、｣

｢冷やかしか。｣

ローレン｢違うし。｣

｢じゃあなに、｣

ローレン｢気になっただけ。｣

｢あっそ。｣

ローレン｢ほんとにさぁ、｣

｢手伝ってよ。人が多いほど、早く終わるし。｣

ローレン｢俺じゃなくてもいいですやん、それ。｣

｢そうだよ。ローレンじゃなくてもいい。｣

ローレン｢………そこは、俺がいい、って言えよ。｣

｢嫌だよ。求められると、私、与えない人間だから。与えられたいなら、頑張れ。｣





そうやって言われる度に、ムカつくけど、気になって。じゃあ、こいつから求められる時ってどんな感じなんだろ？と思った。手を伸ばして、頬についてる土を拭う。滲んで、汚して。鞄を下ろして、セーターとワイシャツの袖を捲る。負けでいいと思った。多分、恋には足音があるはずなのに、こいつの、Aの場合はそんなもの存在しない。気づいたら、背後に立たれていて、俺の全部を奪っていくようなもの。それを追いかけようとするのは馬鹿なんだろうけど、手を伸ばして触れようとしていたのは、俺だったから。｢どこらへん？｣て問いかけたのなら、目を丸くしてて。




あー、俺だけなのかな、とか思う。
そんな顔させられの、俺だけなんかな、って思いたい。




そんなの、きっとAは与えてくれないなんて分かるけど。くっさんたちのとこへ行けば肩を組まれては、｢オレらこれやらんと足らんらしい、諸々。｣の言葉に、頭を抱えそうになった。なるほどね、だからいつもボランティア活動してたのか、あいつ。上から塗り潰されるような感情色が、どんな色だったか、俺はもう忘れていたのだろうか。

人間は、一人でだって生きていけるもの。→←愛に泣いている。

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