馬鹿だねと君に笑って言ってやるの。 ページ41
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「煙草、美味しいの。」
ローレン「不味いよ。」
「なのに吸ってんだね、」
ローレン「吸う?」
「バカ言わないで。お母さんに今度こそ殺される。」
ローレン「間接的ならオッケーな感じ?」
「嫌だよ。」
ローレン「そーよな。」
紫煙が揺らぐのを見つめていた。
変わらないように校舎裏にいて、未だに来てくれる様子はなくて。たまぁーに授業に出て、けど、その後はここに来て。それでいいかもだけど、テストには受けてくれなきゃ私は困る。先生たちなんて手のひら返しばっかしてくるし。他の子達も、あいつやりやがった、みたいなのも。多分誰もが無理だと思ってた。女の私が、男4人、しかも問題児たちを改心させるなんて無理なんだと思ってた。私も無理だと、できるわけが無いと、思っていたし、期待なんかもしてない。してなかったのに、よくある心変わりってやつ?終盤になると、敵が味方になるみたいなのとか、そういった展開だろうか。
よくあるドラマの大どんでん返し。そんなものを期待したわけでも、それを望んだ訳でもない。それなのに、なんでこうなるかなぁ、と思いつつも、隣でタバコを吸うローレンくん。「来ないの、」て問いかけに「行かんよ。」て返されるから、ムカついて。肘で、げしっと脇腹に一発入れてから、立ち上がった。もういい、私授業戻る。スカートについた砂を払いながら、歩き出そうとする前に、手を掴まれる。それに、はぁ?としつつ見下ろしたのなら、寂しさに濡れたような瞳を向けられる。これは、ただの意地っ張りなんだろう。恐らくそんな気がしてきた。あんだけ言った手前、そんな易々とこちら側に来れないから、というようなもの。
「子供かて。」
ローレン「笑うなっての。」
「笑うよ、馬鹿だもの。」
ローレン「まじで性格悪い。」
「善人の方が良かった?」
ローレン「それもそれで、ムカつくわ。」
「性格のいい人間とか、無害そうな人間は好きじゃない。」
ローレン「なんで。」
「裏が読めないから。そういった人間ほど、何を考えるか分からないから、いや。性格悪くてなんぼ、人間なんてそんな生き物だもの。だから、私は嫌いだけど、愛おしいとさえ思う。」
ローレン「マジでお前、そーゆーことばっか。」
「はは、そんなもんなんだよ、私は。」
人間は、なんて言い方をするけれど、だからこそ私は愛おしいとさえ思うんだよ、ローレンくん。
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あさき(プロフ) - 完結ほんとにおめでとうございます!!!!他の作品もぜひぜひ!応援させていただきます!! (11月18日 19時) (レス) @page50 id: 2e9509526a (このIDを非表示/違反報告)
ぴ(プロフ) - 完結おめでとうございます。恋愛の描写もすごく面白かったけれど、それ以上に主人公の考え方が興味深くて読んでてとても楽しかったです。ことりさんの作品は恋愛だけじゃないところが好きです。とても面白い作品をありがとうございました。 (11月17日 1時) (レス) @page50 id: bab803b5e4 (このIDを非表示/違反報告)
ty. - 完結おめでとうございます!毎日毎日更新楽しみにしてました、次回作待ってます!! (11月16日 23時) (レス) @page50 id: 6fcf6de5f3 (このIDを非表示/違反報告)
さつき(プロフ) - 完結おめでとうございます!通知が来る度ウキウキして、読んだらいつも幸せでした。ことりさんの作品本当に大好きです。また素敵な作品をお願いします!影ながら応援させていただきます! (11月16日 23時) (レス) @page50 id: 039532f02f (このIDを非表示/違反報告)
の〜さん(旧もこ)(プロフ) - コメント失礼します。私2j3jの人達全員推しなのと逆ハー大好物なので嬉しいです!出来たら全員に恋愛的に愛されたいです。無理ならすみません。更新頑張ってください。楽しみにしてます。 (10月30日 18時) (レス) @page27 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ことり | 作成日時:2023年9月20日 22時