Hey Siri、問題児を改心させる方法を教えて。2 [ 終 ]

あなたは世界の全てに疑問を抱くのでしょう。 ページ32

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『そういやお前ら、槙野先輩と掃除したんよな？どうだったん？やっぱ噂通り、男たらしだったん？』

伊波｢え？あー、………はは、さぁ。自分で話して判断してみたら？｣

『やだよ、なんか、誘われたらどうすんのさ。』

伊波｢誰もお前なんか選ばんでしょ。｣




世界の全部に疑問さえ抱いて、きっとこの世界そのものを愛しているのに、嫌いだと言うような人だったよ。なんて、言ったって、君はなんも分からないんだろうけどね。A先輩は、童話を読んだってきっと、全てを否定するような人だよ、て言えばわかりやすいのかな。





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『槙野先輩ってやっぱ軽いんかな、いつも男いるとこ、見るし。』

小柳｢あー……………、や、やめとけよ。あの人、めんどくせぇー人だし。｣

『まじ？めんどーなのとか、嫌だな。』

小柳｢あっちだって願い下げだろーが。｣




軽いどころか、なんも考えてないだけだろ。漠然としたような疑問ばかり抱きながらも、きっとその真相を知ろうともしない人。こちらが手を掴んだとて、笑いながら振り払うような人だ。あの人は、Aさんは、きっとなんも分かってないだろうに。





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叢雲｢Aさんって、どんな人やと思う？｣

『なに、どったのカゲツ。辞めとけよ、あの人、男と遊んでるって噂だし。』

叢雲｢噂やん、ただの。｣

『噂は真実だろ、実質的に。』




噂、って別に噂なんて結局噂なのに。僕らと話したAさんは寧ろ、子供のように、世界に疑問を抱いていた気がする。手を伸ばして、触れて、それを壊すようにと手を離して。まるで、この世界を楽しんでいるような人。ほんまに、噂で決めるとかあほらし〜。





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星導｢なんで、人間は海では息が出来なくて、人魚は陸に上がっても息が出来るんだと思います？作品によりますよね、これ。｣

『どの話？人魚姫？パイレーツだと、人魚は呼吸出来なそうにしてたけど。』

星導｢やっぱ、そうなんだよなぁ。Aさん、どの話し言ってたんだろ。｣

『なに、気になってんの？A先輩のこと。遊ばれるよ、お前。』




物によるのに、まるでひとつの事だけを基準としていたくせに。遊ばれるとか、今関係ないんだけど思いつつ、目線をずらす。廊下で、騒いでいるAさん。例え、呼吸が出来なくたって、俺たちは生きるために海面に顔を出すくせに。不平等だなんてあなたは言うけれど、世の中案外なんも考えてないですよ、どうせ。

何も変わらないあなたも普通であるように。→←どうして人間には足があるのでしょう。

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