case 17 ／ 憂いを帯びた恋心。 ページ4
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葛葉 side
二度と見たくなかった。
二度と会いたくなかった。
俺たちのこの気持ちを踏みにじり、バラバラにして消えたくせに。けどそれを捨てることも出来ずに、結局心の隅っこに忍ばせてしまった俺の負けなのかもしれない。間違いだった。変わらないような微笑みと、変わらない様の声のトーンと。俺の事を、くずくんって目を細めて嬉しそうに呼ぶから。手を伸ばされて、髪に触れられて、すきの言葉に単純になる。馬鹿だと思った。赤みを帯びてしまう頬に、馬鹿野郎と言いたくなるほどだ。とくとく、と鼓動する心臓が生きているのだと実感させてくる。いっそズタズタに引き裂いて、殺してくれた方がマシだと思うのに、お前はそれをしてくれないから。ローレンがAを連れてどっか行くのを見つめながらも、向けられた感情を手放せないでいる。
馬鹿だよ、ほんとに。こんな恋心なんて捨てた方が良かったろうに。捨てようともがいた、ふざけるなど、叫びながら。それでも出来なかった、理由なんてないのに。
葛葉｢ツラ貸せ、｣
｢え、なに。私今からボコされる？｣
葛葉｢ちげーよ、来い。いいから、｣
｢坂城さんじゃなくていいの？｣
葛葉｢う、は、お前さぁ。｣
｢…………ほんとに、君らってバカだねぇ。やだよ、今度は何？ローレンくんに泣きつかれて、そのあと葛葉くんとか、私をサボり魔にする気か！！｣
葛葉｢サボり魔だろーが。｣
｢おい、叶くん！言ってやれ！！私の最近の出席率を！！！｣
叶｢全体的には7割。｣
｢ほらみろ！！｣
なんなんだよ、それは。
頭が痛くなるのを感じながらも、そいつの腕を掴み、ズルズルと引きずるようにと連れていく。嫌だ嫌だと叫ぶ声を聞きながら、うるせぇーやつと思った。似ているようでやはり似ていない。けれど変わらぬ態度に、どうするべきなのか、なんてものは分からなかった。殺したはずの恋心が、まるで忘れないで！！と叫ぶようにと言うから、黙ってろよとまたナイフをつき立てようとしたのに。その手に添えるようにと重ねられて、ダメだよとするアイツが憎たらしくて。けど、うぜぇーぐらいにお前らしいとか思っちまって。屋上に辿り着いては、いつもの位置に座り込む。こんなはずじゃなかったんだよ、ほんとーは。
葛葉｢お前は、俺らを馬鹿だと笑うか？｣
｢人間みんな馬鹿だよ。特に、君たちは馬鹿だと思うけど。｣
その目の色が何色かなんて、興味もなかった。
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あさき(プロフ) - 完結ほんとにおめでとうございます！！！！他の作品もぜひぜひ！応援させていただきます！！ (11月18日 19時) (
レス) @page50 id: 2e9509526a (このIDを非表示/違反報告)
ぴ(プロフ) - 完結おめでとうございます。恋愛の描写もすごく面白かったけれど、それ以上に主人公の考え方が興味深くて読んでてとても楽しかったです。ことりさんの作品は恋愛だけじゃないところが好きです。とても面白い作品をありがとうございました。 (11月17日 1時) (レス) @page50 id: bab803b5e4 (このIDを非表示/違反報告)
ty. - 完結おめでとうございます！毎日毎日更新楽しみにしてました、次回作待ってます！！ (11月16日 23時) (レス) @page50 id: 6fcf6de5f3 (このIDを非表示/違反報告)
さつき(プロフ) - 完結おめでとうございます！通知が来る度ウキウキして、読んだらいつも幸せでした。ことりさんの作品本当に大好きです。また素敵な作品をお願いします！影ながら応援させていただきます！ (11月16日 23時) (レス) @page50 id: 039532f02f (このIDを非表示/違反報告)
の〜さん（旧もこ）(プロフ) - コメント失礼します。私2j3jの人達全員推しなのと逆ハー大好物なので嬉しいです！出来たら全員に恋愛的に愛されたいです。無理ならすみません。更新頑張ってください。楽しみにしてます。 (10月30日 18時) (レス) @page27 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ことり
| 作成日時：2023年9月20日 22時
