骨が軋むまで抱きしめたら折れるに決まってんだろうが。 ページ28
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よくあるベタなテンプレート。言葉の意味をちゃんとしてるわけでもない、きっとそんな感じの言葉。よく音楽の歌詞に使われている「骨が軋むぐらい抱きしめて」みたいな言葉を聞く度に、それはもう折れかけているのよ、と思う人間だった。オマケに言うと、恋愛ソングとかを聞く度にツッコミが出るような人間だった。曲を作れる時点で素晴らしいと思う、とても。それに感動していたり、共感している人も沢山いる。ただ、それってこうなってない?というような現実的すぎる自分の性格ほど、ゴミは存在しないと思っている。叶くんたちに怒られたし。キャピキャピと恋愛ソングで盛り上がってるのを見ながら、「でもそれって、ーーじゃない?」と言った時には、ゴミを見るような目で見られた。
「じゃあほら、骨が軋むぐらいまで抱きしめてみろよ。お前を訴えてやるから、」
不破「夢の無さに涙が出そうよ、俺。」
叶「僕らの純粋な気持ちを踏み躙るやつだよ、あいつは。」
葛葉「かわいそー、叶くんに謝れよ。」
「だからごめんて、」
叶「で、2人目ってこと?あと2人とかいけそうなの?」
「ヤニカスとパチカスというね、無理そうかも。どうするよ、ほまに。」
アクシア「あー、ね。とりあえず応援はしておくよ。」
応援するんじゃなくて、手伝えよお前は。
そう思いながらも、私の前の席に座って、アメジストを輝かせる不破くん。目を細めて、まるで愛おしそうに私を見る。骨がきしむぐらいまで抱きしめてというのならば、私はお前の目をくり抜いてやろうか、と言うのだ。まぁそんな歌詞もきっと魅惑的なワンフレーズだろうし、私は否定をしているわけでもない。ただ、こーゆー事なんじゃないの?という現実的なとこである。まぁそれも可愛げ無いだろう、と思っていたのなら、不破くんに手を伸ばされる。するっ、と頬を撫でられては、ふにふにっと親指で唇に触れられる。
甘さを孕みすぎていて、胸焼けさえ起こしそうだ。
ぱしり、腕を叩いたのは私ではなく、葛葉くんだった。ぴょこぴょこと動く、小さく結ばれた髪の毛がまるで怒りを表していた気がする。それがちょっと面白くて、んふふって笑ったのなら、目を見開かれたけど。真っ赤な瞳と、アメジストが私を離してくれやしない。それに面倒くさいという感情を抱いた私は、きっと恋愛なんてものには向いてないのだろう。ほんとに、バカらし。
いつだって人間は不器用すぎる生き物なのよ。→←case 22 / 淡く滲んだ紫色。
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あさき(プロフ) - 完結ほんとにおめでとうございます!!!!他の作品もぜひぜひ!応援させていただきます!! (11月18日 19時) (レス) @page50 id: 2e9509526a (このIDを非表示/違反報告)
ぴ(プロフ) - 完結おめでとうございます。恋愛の描写もすごく面白かったけれど、それ以上に主人公の考え方が興味深くて読んでてとても楽しかったです。ことりさんの作品は恋愛だけじゃないところが好きです。とても面白い作品をありがとうございました。 (11月17日 1時) (レス) @page50 id: bab803b5e4 (このIDを非表示/違反報告)
ty. - 完結おめでとうございます!毎日毎日更新楽しみにしてました、次回作待ってます!! (11月16日 23時) (レス) @page50 id: 6fcf6de5f3 (このIDを非表示/違反報告)
さつき(プロフ) - 完結おめでとうございます!通知が来る度ウキウキして、読んだらいつも幸せでした。ことりさんの作品本当に大好きです。また素敵な作品をお願いします!影ながら応援させていただきます! (11月16日 23時) (レス) @page50 id: 039532f02f (このIDを非表示/違反報告)
の〜さん(旧もこ)(プロフ) - コメント失礼します。私2j3jの人達全員推しなのと逆ハー大好物なので嬉しいです!出来たら全員に恋愛的に愛されたいです。無理ならすみません。更新頑張ってください。楽しみにしてます。 (10月30日 18時) (レス) @page27 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ことり | 作成日時:2023年9月20日 22時