その痛みをどうか、忘れないでいて。 ページ25
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ずっと痛かったくせに。
それをずっも隠してきたくせに。
乾いた音が響く。頬に熱を帯びていた。この痛みは、きっと前に葛葉くんの頬を殴った時よりも、きっと痛くは無いのかもしれない、あの時の痛みを思い出しながら、きっとこれを私は忘れることは無い。目の前で見開いた顔をした不破くんと、女の子。別に、どうでもいいし、興味もないし。けど、どうにもムカついていたんだ。ずっと、坂城さんのことにもだけど。でも、4人のことにも。馬鹿みたいにムカついてた。なんのための犠牲なんだろ、なんのための痛みなんだろ、って考えても分かんないし。目撃してないから何も言えないけど、でも、好きな男が素直に言ってんだから、黙って背中押しなさいよ、普通に。それも結局私の考えなんだろうけどさ。
不破｢Aちゃ、ほっぺた、｣
｢めっっちゃ痛いんだけど、なにこれ。え、今どきの女って力ゴリラやん、こわ。｣
不破｢保健室いこ、な？｣
｢こちとら握力17なんだと！！舐めるな！！葛葉くんにすら勝てない私の力を舐めるんじゃない！｣
不破｢Aちゃんっ、｣
｢自分の拳どうしをぶつけても痛いんだからな！くそっ！牛乳飲めば骨って強くなりますか。｣
不破｢分からんけど、頬、冷やしに行こ？な？｣
｢あ、ちょ、くそっ！庇うんじゃなかった！ゴリラめ！！私覚えてるぞ！お前！前のドッチの時、私の背中に当てた女だろ！！忘れてやらないからな〜〜〜！！！｣
不破｢良いからはよ保健室行きましょう〜〜、｣
なんで庇ったんだろ、と思ったけど、やり返さない不破くんにムカついていたんだと思う。だからこそ、なんでか前に立って、痛みを受けて。私より痛そうにしてて、苦しそうにしてて、本気で焦ってる声を聞いた。心配してるんだ、と思いながら、手を伸ばして、頬に触れないようにしながらも、悲しそうな顔をしていた。それを見つめながら、この子も人間なんだよな、と当たり前のことを考える。ていうか、ゴリラやん、ほんまに。そんなことを思いながら、割と痛い頬を押えながら、そんなことを話しながらも、不破くんに腕を掴まれて、引っ張られていく。焦っていた、戸惑っていた。
どうか、どうかその痛みを忘れないでいて。その痛みを覚えている限り、あなたの心はちゃんと生きていることの証明だから。もしその痛みを忘れてしまったのなら、教えて。また、その痛みを覚えさせてあげるから。
なんてね。
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あさき(プロフ) - 完結ほんとにおめでとうございます！！！！他の作品もぜひぜひ！応援させていただきます！！ (11月18日 19時) (
レス) @page50 id: 2e9509526a (このIDを非表示/違反報告)
ぴ(プロフ) - 完結おめでとうございます。恋愛の描写もすごく面白かったけれど、それ以上に主人公の考え方が興味深くて読んでてとても楽しかったです。ことりさんの作品は恋愛だけじゃないところが好きです。とても面白い作品をありがとうございました。 (11月17日 1時) (レス) @page50 id: bab803b5e4 (このIDを非表示/違反報告)
ty. - 完結おめでとうございます！毎日毎日更新楽しみにしてました、次回作待ってます！！ (11月16日 23時) (レス) @page50 id: 6fcf6de5f3 (このIDを非表示/違反報告)
さつき(プロフ) - 完結おめでとうございます！通知が来る度ウキウキして、読んだらいつも幸せでした。ことりさんの作品本当に大好きです。また素敵な作品をお願いします！影ながら応援させていただきます！ (11月16日 23時) (レス) @page50 id: 039532f02f (このIDを非表示/違反報告)
の〜さん（旧もこ）(プロフ) - コメント失礼します。私2j3jの人達全員推しなのと逆ハー大好物なので嬉しいです！出来たら全員に恋愛的に愛されたいです。無理ならすみません。更新頑張ってください。楽しみにしてます。 (10月30日 18時) (レス) @page27 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ことり
| 作成日時：2023年9月20日 22時
